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川越市景気動向調査 平成21年度上期(平成21年4月から9月期)結果報告

最終更新日:2015年1月3日

調査結果

平成21年の4月から9月期を中心とした企業の景気動向調査結果、市経済指標から判断すると、

~景気は、全体的に厳しい局面が続いているが、一部に持ち直しの動きも見られる~

総括

 一般景況は、規模、業種を問わず厳しい状況が続いている。市内の雇用情勢は低迷し、生産高・売上高、経常利益も引き続き低調であるが、製造業以外の業種においては、持ち直しの動きも見られる。

景気動向調査結果のまとめ

  • 一般景況は厳しい状態が続いている。一般景況BSI(「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた企業の割合を引いた値)は、平成21年上期の-72で引き続きマイナス状態が続いている。しかし、平成20年下期の-78からは6ポイント改善している、
    また、来期見通しは引き続きマイナスではあるが、-65と7ポイントの改善が見込まれている。
  • 生産高・売上高は「減少」が73.3%を占めるが、その割合は20年下期から6ポイント改善している。業種別では製造業で依然として厳しく、「減少」が上昇している。来期見通しは7ポイントの改善が見込まれている。
  • 経常利益は「減少」が69.7%を占めているが、「減少」とする割合は20年下期から10ポイント改善している。業種別では製造業、規模別では6から10人以下の企業でより厳しく、唯一「減少」が上昇している。来期見通しでは小幅ながらも改善が見込まれている。
  • 雇用人員は概ね「適正」となっている。業種別では製造業で過剰感が見られる。
  • 労働時間は「変わらず」が約6割を占める。製造業においては、20年下期に大幅な「減少」(66.7%)であったが、21年上期は33.3%と大きく変化している。
  • 製(商)品価格は全体として「変わらず」という見方が約4割を占めるが、「低下」とする割合の上昇が続いている。業種別では製造業で「低下」とする割合が拡大している。
  • 原材料・仕入価格は「上昇」とする割合が20年下期から24ポイント改善し、「変わらず」とする見方が主となっている。業種別では製造業で「上昇」とする割合が依然として高い。
  • 製(商)品在庫は概ね「変わらず」という見方になっている。
  • 資金繰り状況は「悪化」とする割合が20年下期から12ポイント改善し、「変わらず」という見方が主となっている。業種別では製造業で、規模別では6から10人以下で「悪化」の割合が依然高い。
  • 設備投資は「減少」とする割合が20年下期から7ポイント改善し、「変わらず」という見方が主となっている。
  • 経営上の問題点については、項目別にみると上位5項目は下記のようになっている。
    1.売上げ、受注の停滞・不振
    2.競争の激化
    3.販売価格の低下
    4.資金繰り・金融難
    5.設備・店舗等が老朽化または狭い
    個々にみると、
    1.は、いずれの業種でも問題点として取り上げており、特に製造業、建設業でその割合が高い。
    2.は、小売業で割合が高い。
    3.は、小売業で割合が高い。
    4.は、製造業、飲食店で割合が高い。
    5.は、飲食店で割合が高い。
    一方で、設備過剰、過大在庫、合理化・省力化不足の問題についてはほとんど問題にされていない。

主要経済指標動向調査のまとめ

雇用情勢は低迷している

川越公共職業安定所管内の有効求人倍率(季節調整値)は、平成19年6月の1.01をピークに減少傾向が続いている。平成19年7月以降は1倍を下回り、平成21年5月には0.33にまで落ち込んでいる。
また、新規求人倍率(季節調整値)も平成19年6月の1.50から、平成20年11月以降は1倍を下回り、平成21年4月には0.54へと大幅に低下した。その後、平成21年6月にかけては、かすかではあるが回復傾向が見られる。
雇用保険受給実人数は平成21年1月以降大幅に増加しており、平成21年6月には対前年比110%に達している。

消費は一部に持ち直しの気配

埼玉県内の大型小売店販売額は、平成20年12月以降、対前年比マイナスが続いている。
また、川越市内の新車登録・届出台数(乗用車+軽自動車<乗用>)は、平成20年8月以降、対前年比がマイナスで推移しているが、平成21年3月以降はマイナス幅が縮小傾向にある。

建築関連は引き続き厳しい

川越市内の新設住宅着工戸数、着工建築物総床面積ともに平成21年1月以降、対前年比マイナスの月が多く、減少傾向が続いている。

金融は引き続き堅調

貸出金残高は、伸び率は縮小しているが増加傾向にある。

企業倒産は減少傾向にある

21年前半の企業倒産件数は1月に5件と再び増加した後減少し、3月以降は安定を取り戻している。

法人市民税調定額は減少傾向にある

法人市民税調定額は、20年9月以降マイナス基調が続いている。

~ 調査実施の概要 ~

1、調査目的

 社会経済情勢の変化や世界的規模での競争激化などにより、事業所を取り巻く環境は近年大きく変化している。

 この調査は、市内の事業所の景気動向を業種別に調査し、その現状や抱えている問題点を把握し、効果的な商工振興施策展開の基礎資料とするとともに、広く市内事業者に情報提供を行うことを目的とする。

2、調査設計

(1)企業動向調査

 1、調査地域:川越市全域
 2、調査対象:「平成18年度事業所・企業統計調査」に基づき市内で事業を営んでいる事業所
 3、標本数: 500
 4、調査方法:郵送配布―郵送回収(督促状1回)
 5、調査期間:平成21年9月24日から10月9日
 6、回収結果:[標本数] 500 [有効回収数] 251
 [有効回収率] 50.2%

(2)主要経済指標動向調査

 川越市内の産業関連の統計資料や埼玉県の経済関連資料を収集し、市内の経済状況の推移を捉えるための資料としてグラフおよび一覧表にまとめる。

3、報告について

 今回は、上期調査結果の概要を掲載した。冊子については、下期調査結果と合わせて作成する。

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