障害者福祉に関するアンケート調査報告書《概要版》 平成29年3月 川越市 1.調査目的 川越市障害者支援計画の見直しを行い、次期計画を策定するにあたり、障害者の生活上の課題・住民ニーズを明らかにするため市民意識調査を行い、その分析データを活用するものである。 2.調査対象 身体障害者調査 身体障害者手帳所持者から1,800人を無作為抽出 知的障害者調査 療育手帳所持者から450人を無作為抽出 精神障害者調査 精神障害者保健福祉手帳所持者から450人を無作為抽出 難病患者調査 指定難病医療給付制度利用者から400人を無作為抽出 施設入所者調査 施設入所者全員137人 特別支援学校高等部3年生調査 特別支援学校高等部3年生全員49人 グループホーム入居者調査 グループホーム入居者全員29人 高次脳機能障害者調査 精神障害者保健福祉手帳所持者から該当者20人を抽出 発達障害者調査 精神障害者保健福祉手帳所持者から該当者160人を抽出 3.調査時期 平成28年9月〜10月 4.調査方法 身体障害者、知的障害者、精神障害者、難病患者、施設入所者、グループホーム入居者、高次脳機能障害者、発達障害者については、郵送配布・郵送回収により調査を実施した。特別支援学校高等部3年生については、学校を通じて配布・回収を行った。 5.回収状況 身体障害者調査 対象者数1,800 有効回収数1,010 有効回収率56.1% 知的障害者調査 対象者数450 有効回収数187 有効回収率41.6% 精神障害者調査 対象者数450 有効回収数223 有効回収率49.6% 難病患者調査 対象者数400 有効回収数222 有効回収率55.5% 施設入所者調査 対象者数137 有効回収数90 有効回収率65.7% 特別支援学校高等部3年生調査 対象者数49 有効回収数34 有効回収率69.4% グループホーム入居者調査 対象者数29 有効回収数18 有効回収率62.1% 高次脳機能障害者調査 対象者数20 有効回収数8 有効回収率40.0% 発達障害者調査 対象者数160 有効回収数74 有効回収率46.3% 6.調査項目 A. 基本的な属性 B. 介助・援助の状況 C. 外出や余暇活動等の状況 D. 健康状態や医療について E. 日中の過ごし方 F. 幼稚園・保育園・学校について G. 雇用・就労について H. 相談・情報入手について I. 福祉サービスについて J. 将来の希望 K. 災害対策について L. 差別・疎外感、権利擁護について M. 行政への要望等 N. 施設入所の状況 ※施設入所者調査のみ O. 施設での生活状況 ※施設入所者調査のみ P. 学校卒業後について ※特別支援学校高等部3年生調査のみ 7.この報告書における調査結果の見方 ○ 調査結果の数値は、回答率(%)で表示している。回答率(%)の母数は、その質問項目に該当する回答者の総数であり、その数はn= で示している。 ○ 回答率(%)については、小数点第2位を四捨五入し、小数点第1位までを表示している。このため、その合計数値は必ずしも100%とはならない場合がある。 ○ 回答には、単一回答(○は1つ)と複数回答(○はいくつでも)の2種類がある。複数回答の場合、その回答率(%)の合計は100%を超える場合がある。 ○ 調査区分9種類のうち、特に回答数の多い、身体障害者、知的障害者、精神障害者、難病患者の調査結果については、択一回答を100%帯グラフで、複数回答のうち特に回答の多かった項目を抜粋し横棒グラフで掲載している。なお、図表の問のタイトル及び、回答の選択肢は、簡略化して表現している場合があるほか、100%帯グラフについては、5%未満の数値については割愛している。正式な問の項目及び値は、調査票を参照されたい。 (1) 回答者の年齢 年齢層については、身体障害者では70歳代が最も多く、知的障害者では30歳代、精神障害者では40歳代、難病患者では70歳代、施設入所者では40歳代、グループホーム入居者では40歳代、発達障害者では20歳代が最も多い。 身体障害者と難病患者は高齢者が主体、精神障害者と施設入所者、グループホーム入居者は中年者が主体、知的障害者と発達障害者では若年者主体といえる。 なお、高次脳機能障害者は回答数が8名のみであり、20歳代、30歳代、40歳代、60歳代、70歳代にそれぞれ1〜2名ずつ分散している。 (2) 現在の生活で困っていることや悩んでいること 身体障害者では「特にない」(38.9%)が最も多く、次いで「外出がしにくい」(24.9%)、「公共の乗り物の利用が難しい」(19.7%)と続いている。 知的障害者では「休日の過ごし方」(29.4%)が最も多く、次いで「公共の乗り物の利用が難しい」(25.7%)、「外出がしにくい」「特にない」(25.1%)と続いている。 精神障害者では「生活費が足りない」(37.7%)が最も多く、次いで「外出がしにくい」(34.1%)、「周りの人の理解が少ない」(26.9%)が続いている。 難病患者では「特にない」(30.2%)が最も多く、次いで「医療費が多くかかる」(27.9%)、「外出がしにくい」(25.7%)、が続いている。 施設入所者では「外出がしにくい」(44.4%)が最も多く、次いで「休日の過ごし方」(30.0%)、「周りの人の理解が少ない」(27.8%)と続いている。 グループホーム入居者では「特にない」(33.3%)が最も多く、次いで「休日の過ごし方」(22.2%)、「生活費が足りない」「結婚について」(16.7%)と続いている。 高次脳機能障害者では全体の回答8件のうち、「気軽に相談するところがない」、「働く場がない」、「生活費が足りない」、「外出がしにくい」、「公共の乗り物の利用が難しい」、「休日の過ごし方」がそれぞれ2件となっている。 発達障害者では「周りの人の理解が少ない」(51.4%)が最も多く、次いで「気軽に相談するところがない」(43.2%)、「働く場がない」(35.1%)と続いている。 (3) 介助・援助の状況 「特に介助・援助は受けていない」と回答した人が最も少ないのは知的障害者(10.7%)で約9割の人は何らかの介助・援助が必要であることが分かる。 「特に介助・援助は受けていない」と回答した人が少ない順では高次脳機能障害者(25.0%)、精神障害者(26.5%)、特別支援学校高等部3年生(27.3%)、発達障害者(37.8%)、身体障害者(38.5%)、難病患者(53.2%)と続いている。 また、主な介助者は、知的障害者では親(63.1%)と施設の職員(16.6%)が、高次脳機能障害者では親(37.5%)と配偶者(37.5%)が、精神障害者では親(27.4%)と配偶者(12.6%)、特別支援学校高等部3年生では親(66.7%)、発達障害者では親(44.6%)、身体障害者では配偶者(22.9%)、難病患者では配偶者(21.6%)が主体である。 (4) 実際に介助・援助を受けている場面 実際に介助・援助を受けている場面としては、身体障害者では、「外出をするとき」(51.5%)が最も多く、次いで「入浴をするとき」(37.5%)、「簡単な買い物をするとき」(34.7%)、「洗濯(干し、取り込みも含む)をするとき」(34.3%)と続いている。 知的障害者では、「お金の管理をするとき」「外出をするとき」(66.9%)が最も多く、次いで「人とコミュニケーションをとるとき」(47.9%)、「食事をつくるとき」「入浴をするとき」(47.2%)、「見守りが必要な状態のとき」(46.6%)、「簡単な買物をするとき」(46.0%)、と続いている。 精神障害者では、「お金の管理をするとき」(44.8%)が最も多く、次いで「通院するとき」(43.3%)、「買い物するとき」(39.6%)、「食事をつくるとき」(37.3%)と続いている。 難病患者では、「外出をするとき」(55.0%)が最も多く、次いで「食事をつくるとき」(40.0%)、「簡単な買い物をするとき」(36.3%)、「入浴をするとき」「洗濯(干し、取り込みも含む)をするとき」(32.5%)と続いている。 特別支援学校高等部3年生では、「買い物に出かけるとき」(86.4%)が最も多く、次いで「遊びに出かけるとき」(72.7%)、「学校に行くとき、帰ってくるとき」(54.5%)、「食事をするとき」「トイレのとき」「おふろに入るとき」(50.0%)と続いている。 グループホーム入居者では、「家事(調理、掃除、洗濯)」「外出をするとき」(62.5%)が最も多く、次いで「入浴をするとき」(43.8%)、「見守りが必要な状態のとき」(37.5%)と続いている。 高次脳機能障害者では、「通院するとき」「お金の管理をするとき」(66.7%)が最も多く、次いで「食事を作るとき」「外出をするとき」(50.0%)と続いている。 発達障害者では、「人とコミュニケーションをとるとき」(62.8%)が最も多く、次いで「お金の管理をするとき」(60.5%)、「通院する時」「見守りが必要な状態のとき」(55.8%)と続いている。 障害の種類により、必要とされる介助・援助の種類が少しずつ異なっているが、身体障害者及び知的障害者、難病患者、グループホーム入居者では、共通して1位に「外出をするとき」が入っている。 (5) 希望する日中の過ごし方 今後、希望する日中の過ごし方としては、身体障害者では、約6割の人が「自宅でのんびり過ごしたい」(62.2%)と回答している。なお、現在の日中の過ごし方別にみると、「自宅にいることが多い」人のうち78.1%が今後も「自宅でのんびり過ごしたい」と考えている。 知的障害者では、「施設内で就労したり、生産活動をしながら過ごしたい」と回答した人が26.7%と最も多く、次いで「自宅でのんびり過ごしたい」(21.9%)、「施設で介護を受けながら創作的活動などを行いたい」(19.8%)と続いている。 精神障害者では、「自宅でのんびり過ごしたい」と考えている人が43.5%と最も多く、次いで「一般企業などで働きたい」(23.8%)、「職場探しや職場定着のための支援を受けたい」「身体機能や生活能力向上のために必要な訓練を受けたい」(13.0%)と続いている。 難病患者では、「自宅でのんびり過ごしたい」と考えている人が63.5%と最も多く、次いで「一般企業などで働きたい」(17.6%)が続いている。 高次脳機能障害者では、回答8件のうち「一般企業などで働きたい」が3件と最も多く、次いで「自宅でのんびり過ごしたい」「施設内で就労したり、生産活動をしながら過ごしたい」「職場探しや職場定着のための支援を受けたい」が2件と続いている。 発達障害者では、「自宅でのんびり過ごしたい」及び「一般企業などで働きたい」と考えている人が36.5%と最も多く、次いで「身体機能や生活能力向上のために必要な訓練を受けたい」(24.3%)、「職場探しや職場定着のための支援を受けたい」(23.0%)と続いている。 (6) 健康管理や医療について困ったり不便に思うこと 身体障害者では、51.2%の人が「特にない」と回答しており、次いで「専門的な治療を行っている医療機関が身近にない」(10.2%)、「気軽に往診を頼める医師がいない」(9.8%)、「医療費の負担が大きい」(9.4%)と続いている。 知的障害者では、41.2%の人が「特にない」と回答しており、次いで「専門的な治療を行っている医療機関が身近にない」(19.3%)、「症状が正確に伝わらず、必要な治療が受けられない」(15.5%)と続いている。 精神障害者では、30.9%の人が「特にない」と回答しているが、約4人に1人は「医療費の負担が大きい」(23.3%)と感じており、次いで「専門的な治療を行っている医療機関が身近にない」(14.3%)が続いている。 難病患者では、38.3%の人が「特にない」と回答しているが、約4人に1人は「医療費の負担が大きい」(27.0%)、約5人に1人は「専門的な治療を行っている医療機関が身近にない」(18.5%)ととらえている。 全ての種類で、「専門的な治療を行っている医療機関が身近にない」が、「特にない」の他での1位又は2位の高率部分にあげられている。 (7) 外出の際に困っていること 外出の際に困っていることとしては、身体障害者では、「特にない」が35.5%と最も多く、次いで「道路や建物・駅に階段や段差が多い」(29.6%)、「バスや電車の乗り降りが困難」(17.4%)、「障害者用の駐車スペースが少ない」(17.2%)があげられている。 知的障害者では、「特にない」が29.4%と最も多く、次いで「自動車や自転車が多くて危険を感じる」(25.1%)、「周囲の人の手助けや理解を得られない」(24.6%)、「突然の体調や気分の変化が心配」(23.0%)があげられている。 精神障害者では、「他人の視線が気になる」ことをあげる人が35.4%と最も多く、次いで「特にない」(31.8%)、「他人との会話が難しい」(23.8%)があげられている。 難病患者では、「特にない」が48.6%と最も多く、次いで「道路や建物・駅に階段や段差が多い」(22.1%)、「歩道が整備されていない」(17.1%)が続いている。 施設入所者では、「外出の機会が少ない」が38.9 %と最も多く、外出の際では「周囲の目が気になる」(25.6%)、「トイレの利用」「外出のための福祉サービスが使えない」(21.1%)が続いている。 高次脳機能障害者では、回答人数8人のうちそれぞれ3人が「他人との会話が難しい」「特にない」をあげている。 発達障害者では、「他人の視線が気になる」が40.5%と最も多く、次いで「他人との会話が難しい」(39.2%)があげられている。 障害の種類により、外出の際の困っていることの種類が少しずつ異なっていることが見える。 (8) 今後行いたい生涯学習活動・余暇活動 今後行いたい生涯学習活動・余暇活動として最も多くあげられているものは、身体障害者、難病患者では「旅行に出かける」、知的障害者では「テレビ・ビデオを観たり、ゲーム等をする」、精神障害者、発達障害者では「趣味の活動をする」となっていることがわかる。 (9) 希望する活動を行うために必要な条件 希望する活動を行うための条件として最も多くあげられているものは、身体障害者、精神障害者、発達障害者では「活動する場所が近くにあること」、知的障害者では「介助者・援助者がいること」、難病患者では「一緒に行く仲間がいること」となっている。 また、身体障害者、知的障害者、精神障害者では共通して2位に「一緒に行く仲間がいること」があげられている。 (10) 就労状況・就労意向 収入を伴う仕事をしている人の18〜64歳の割合は、身体障害者48.9%、知的障害者67.4%、精神障害者24.9%、難病患者68.2%、施設入所者35.1%、グループホーム入居者60.0%、発達障害者49.2%である。 なお、仕事の形態としては、知的障害者では58.2%が「就労継続支援等での福祉的就労」、精神障害者では50.0%が「臨時・パート・日雇い」と最も高く、半数以上の方が回答している。 また、身体障害者では34.9%、難病患者では42.0%、発達障害者では40.0%が「会社員・公務員・団体職員」と最も高く回答している。 なお、難病患者では40.9%、発達障害者では36.7%が2位に「臨時・パート・日雇い」をあげており、1位の「会社員・公務員・団体職員」と分散している。 また、施設入所者では80.0%、グループホーム入居者では66.7%が「就労継続支援等での福祉的就労」と最も高く回答している。 また、現在、収入を伴う仕事をしていない人のうち、身体障害者では18.0%、知的障害者では50.6%、精神障害者では40.4%、難病患者では26.6%、発達障害者では69.2%が働きたいと考えている。 (11) 1年間の収入の額 1年間の収入の額としては、身体障害者では「100万円未満」が26.1%と最も高く、次いで「200万円以上300万円未満」(16.0%)があげられている。 知的障害者では「100万円未満」が49.2%と最も高く、約半数の方が回答している。 精神障害者では「100万円未満」が48.4%と最も高く、約半数の方が回答している。 難病患者では「100万円未満」が28.8%と最も高く、次いで「200万円以上300万円未満」(14.9%)、「100万円以上125万円未満」(12.2%)があげられている。 施設入所者では「100万円未満」が61.1%と最も高く、約6割の方が回答している。 グループホーム入居者では「100万円未満」が55.6%と最も高く、半数以上の方が回答している。 発達障害者では「100万円未満」が44.6%と最も高くなっている。 (12) 生活を支える収入 生活を支えている収入としては、身体障害者では73.5%の人が「年金、障害者年金」と最も多く、次いで「給与・賃金」(14.1%)が続いている。なお、年代別にみると、18〜64歳では、39.9%の人が「給与・賃金」をあげている。 知的障害者では、「年金、障害者年金」が56.1%と最も多く、次いで「家族からの仕送り・援助」(34.8%)、「給与・賃金」(23.5%)が続いている。なお、年代別にみると、18〜64歳では、約7割の人が「年金、障害者年金」(72.9%)をあげ、「給与・賃金」は32.6%、「家族からの仕送り・援助」は31.0%、「授産所や作業所の工賃」が20.2%となっている。 精神障害者では、57.0%の人が「年金、障害者年金」と最も多く、次いで「家族からの仕送り・援助」(31.8%)、「生活保護」(18.8%)、「給与・賃金」(15.7%)が続いている。18〜64歳では、約7割の人が「年金、障害者年金」(70.3%)をあげ、次いで「生活保護」(29.7%)、「家族からの仕送り・援助」(18.9%)が続いている。 難病患者では、「年金、障害者年金」が54.1%と最も多く、次いで「給与・賃金」(37.4%)があげられている。なお、年代別にみると、18〜64歳では、「給与・賃金」が68.2%と最も多く、次いで「家族からの仕送り・援助」(18.2%)、「年金、障害者年金」(15.5%)と続いている。 施設入所者では、「年金、障害者年金」が88.9%と最も多く、次いで「授産所や作業所の工賃」(35.6%)、「家族からの仕送り・援助」(33.3%)と続いている。 グループホーム入居者では、「年金、障害者年金」が66.7%と最も多く、次いで「給与・賃金」(38.9%)、「授産所や作業所の工賃」(22.2%)と続いている。 発達障害者では、「家族からの仕送り・援助」と「給与・賃金」が36.5%と最も多く、次いで「年金、障害者年金」(18.9%)、「生活保護」(16.2%)と続いている。 (13) 相談状況・相談意向 悩みや困ったことなどの相談先としては、身体障害者(63.3%)、知的障害者(64.2%)、精神障害者(61.4%)、難病患者(73.9%)では「家族等の同居人」をあげる人が、いずれも6〜7割と最も多い。 また、知的障害者では「施設や作業所の職員」(38.0%)が、精神障害者では「病院・医師・看護師等」(46.6%)が次いで多くあげられている。 また、施設入所者の相談先は「施設の職員」が90.0%と最も多く、次いで「家族・親族」(57.8%)があげられている。 高次脳機能障害者では、8人中7人が「家族等の同居人」をあげている。 発達障害者では、「家族等の同居人」が64.9%と最も多く、次いで「病院・医師・看護師等」(37.8%)があげられている。 (14) 情報入手・コミュニケーションで困ること 情報の入手やコミュニケーションで困ることは、身体障害者では45.9%の人が「特に困ることはない」としているが、16.9%の人が「難しい言葉や早口で話されるとわかりにくい」、13.1%の人が「複雑な文章表現がわかりにくい」ことをあげている。 また、主な障害の種類別にみると、視覚障害では、「音声情報が少ない」(36.7%)、「案内表示がわかりにくい」(20.0%)で困っている人が2割以上いる。 聴覚障害では、「難しい言葉や早口で話されるとわかりにくい」と感じている人が48.4%おり、次いで「文字情報が少ない」(30.6%)、「複雑な文章表現がわかりにくい」(22.6%)、「話をうまく組み立てられない、うまく質問できない」(21.0%)で困っている人が2割以上いる。 知的障害者では、「話をうまく組み立てられない、うまく質問できない」ことをあげる人が39.0%と最も多く、次いで「難しい言葉や早口で話されるとわかりにくい」(38.5%)、「複雑な文章表現がわかりにくい」(35.8%)と続いている。また、「特に困ることはない」としている人も22.5%いる。 精神障害者では、「話をうまく組み立てられない、うまく質問できない」ことをあげる人が36.3%と最も多く、次いで「難しい言葉や早口で話されるとわかりにくい」(31.8%)、「複雑な文章表現がわかりにくい」(23.3%)と続いている。また、「特に困ることはない」としている人も29.6%いる。 難病患者では、50.9%の人が「特に困ることはない」としているが、17.1%の人が「複雑な文章表現がわかりにくい」、15.3%の人が「難しい言葉や早口で話されるとわかりにくい」ことをあげている。 高次脳機能障害者では8人中3人が「話をうまく組み立てられない、うまく質問できない」で困っていると回答している。 発達障害者では、63.5%の人が「話をうまく組み立てられない、うまく質問できない」と最も多く、次いで「難しい言葉や早口で話されるとわかりにくい」(47.3%)、「複雑な文章表現がわかりにくい」(36.5%)が続いている。 (15) 福祉サービスに関する情報の入手経路 福祉サービスに関する情報の入手経路としては、身体障害者、知的障害者、精神障害者、難病患者、発達障害者では「市・県の広報」が最も多くあげられている。 なお、知的障害者では、「家族や仲間の話」が35.8%と「市・県の広報」(40.1%)に次いで多くあげられている。 また、高次脳機能障害者では8人中5人が「家族や仲間の話」を最も多くあげている。 (16) パソコン・スマートフォン・携帯電話の利用状況 「パソコンやスマートフォン、携帯電話などを利用して情報を得ることはない」人の割合は、身体障害者(47.5%)、知的障害者(45.5%)、難病患者(36.9%)では最も多く挙げられている また、身体障害者では「パソコンを利用して、情報を入手している」人は17.3%、「スマートフォンやタブレット端末を利用して、情報を入手している」人は13.0%と次いで多く回答している。 知的障害者では、「スマートフォンやタブレット端末を利用して、情報を入手している」人は16.6%と次いで多く回答している。 精神障害者では、「パソコンを利用して、情報を入手している」人が32.3%と最も多くあげられている。次いで30.9%の人が「パソコンやスマートフォン、携帯電話などを利用して情報を得ることはない」と回答している。また、「スマートフォンやタブレット端末を利用して、情報を入手している」人は29.6%と多く回答している。 難病患者では「パソコンを利用して、情報を入手している」人は28.8%、「スマートフォンやタブレット端末を利用して、情報を入手している」人は26.1%と次いで多く回答している。 発達障害者では、「パソコンを利用して、情報を入手している」人は56.8%と最も多く、続く「スマートフォンやタブレット端末を利用して、情報を入手している」人も47.3%と多く回答している。なお、「パソコンやスマートフォン、携帯電話などを利用して情報を得ることはない」と回答している人は13.5%であった。 (17) 福祉サービスの利用状況・利用意向 身体障害者では、「内容をわかっていて利用している(したことがある)」割合が最も多いものは「補装具費の支給」(16.7%)で、次いで「居宅介護(ホームヘルプサービス)」(11.9%)、「短期入所(ショートステイ)」(10.0%)があげられている。 また、今後も引き続き、又は新たに利用したいと思うサービスについては、「居宅介護(ホームヘルプサービス)」(17.7%)、「補装具費の支給」(15.1%)、「日常生活用具費の支給」(10.4%)、「短期入所(ショートステイ)」(10.2%)となっている。 知的障害者では、「内容をわかっていて利用している(したことがある)」割合が最も多いものは「短期入所(ショートステイ)」(21.4%)で、次いで「相談支援」(15.5%)、「計画相談」(15.0%)、「日中一次支援」(13.4%)があげられている。 また、今後も引き続き、又は新たに利用したいと思うサービスについては、「短期入所(ショートステイ)」(25.1%)、「施設入所支援」(21.9%)、「相談支援」(17.6%)、「移動支援」(17.6%)、「共同生活援助(グループホーム)」(17.1%)となっている。 精神障害者では、「内容をわかっていて利用している(したことがある)」割合が最も多いものは「自立支援医療」(60.1%)が最も多く、次いで「地域活動支援センター」(8.5%)、「就労移行支援」(8.1%)があげられている。 また、今後も引き続き、又は新たに利用したいと思うサービスについては、「自立支援医療(更生・育成・精神通院)」(55.6%)が最も多く、次いで「相談支援」(12.6%)、「自立訓練(生活訓練)」(10.8%)、「就労移行支援」(10.8%)となっている。 難病患者では、「内容をわかっていて利用している(したことがある)」割合が最も多いものは「居宅介護(ホームヘルプサービス)」(7.2%)で、次いで「補装具費の支給」(6.8%)、「日常生活用具費の支給」(6.3%)があげられている。 また、今後も引き続き、又は新たに利用したいと思うサービスについては、「居宅介護(ホームヘルプサービス)」(16.2%)が最も多く、次いで「相談支援」(11.7%)、「短期入所(ショートステイ)」(9.9%)、「日常生活用具費の支給」(9.9%)となっています。 グループホーム入居者では、「内容をわかっていて利用している(したことがある)」割合が最も多いものは「共同生活援助(グループホーム)」(77.8%)で、次いで「移動支援」(38.9%)、「計画相談」(33.3%)、「相談支援」(27.8%)、「施設入所支援」(22.2%)があげられている。 また、今後も引き続き、又は新たに利用したいと思うサービスについては、「共同生活援助(グループホーム)」(88.9%)」で最も多く、次いで「移動支援」(38.9%)、「相談支援」(27.8%)、「計画相談」(22.2%)となっている。 高次脳機能障害者では、「内容をわかっていて利用している(したことがある)」ものとして、8人中3人が「自立支援医療(更生・育成・精神通院)」をあげている。 また、今後も引き続き、又は新たに利用したいと思うサービスについては、8人中2人が「就労移行支援」「計画相談」「地域活動支援センター」をあげている。 発達障害者では、「内容をわかっていて利用している(したことがある)」割合が最も多いものは「自立支援医療(更生・育成・精神通院)」(43.2%)で、次いで「就労移行支援」(23.0%)、「相談支援」(13.5%)、「就労継続支援B型」(10.8%)があげられている。 また、今後も引き続き、又は新たに利用したいと思うサービスについては、「自立支援医療(更生・育成・精神通院)」(43.2%)で最も多く、次いで「相談支援」(21.6%)、「就労移行支援」(18.9%)となっている。 (18) サービスを利用していない理由 「(サービスの)内容はわかっているが,利用したことはない」と回答した人に、その理由を確認した。 身体障害者では「支給要件に該当しないから」(19.6%)とした人の割合が最も多く、次いで「必要とするサービスがないから」(19.0%)、「どのようなサービスがあるかわからないから」(13.6%)があげられている。 知的障害者では「利用の仕方がわからないから」(29.8%)とした人の割合が最も多く、次いで「必要とするサービスがないから」(23.1%)、「どのようなサービスがあるかわからないから」(21.2%)があげられている。 精神障害者では「必要とするサービスがないから」(25.9%)とした人の割合が最も多く、次いで「支給要件に該当しないから」(23.3%)、「利用の仕方が分からないから」(23.3%)、「どのようなサービスがあるかわからないから」(22.4%)があげられている。 難病患者では「支給要件に該当しないから」(26.6%)とした人の割合が最も多く、次いで「必要とするサービスがないから」(23.4%)、「利用の仕方が分からないから」(10.5%)があげられている。 発達障害者では「利用の仕方が分からないから」(24.4%)とした人の割合が最も多く、次いで「支給要件に該当しないから」(19.5%)、「どのようなサービスがあるかわからないから」(17.1%)があげられている。 (19) 災害時の周囲への連絡・通報について 非常時に周囲に知らせることが「できない」と考えている人の割合は、身体障害者では21.1%、知的障害者では49.7%、精神障害者では11.7%、難病患者では10.8%、高次脳機能障害者では8人中1人、発達障害者では17.6%であった。 (20) 災害時に助けてくれる近隣者の有無 近所に助けてくれる人が「いる」人の割合は、身体障害者では29.4%、知的障害者では13.4%、精神障害者では16.6%、難病患者では30.2%、高次脳機能障害者では8人中2人、発達障害者では17.6%であった。 (21) 災害時に必要とする支援 身体障害者、精神障害者、難病患者、発達障害者では、災害時にあるとよいと思う支援・援助として、「必要な投薬や治療が受けられる」ことをあげる人が最も多かった。 一方、知的障害者では、「避難するのを手助けしてくれる」ことをあげる人が最も多い。 また、全ての障害では「避難所の設備(トイレ等)を充実させる」が2位にあげられている。 なお、身体障害者全体では「周囲の人とコミュニケーションがとれるよう手助けしてくれる」ことをあげる人は24.2%だが、聴覚障害者では51.6%、視覚障害者では40.0%と、全体と比べ高い割合となっている。 (22) 差別・疎外感を感じること、その場面 障害があることによる差別や疎外感を「たまに感じる」及び「いつも感じる」と回答した人の割合の合計は、身体障害者では30.3%、知的障害者では57.8%、精神障害者では57.4%、難病患者では28.4%、グループホーム入居者では44.5%、高次脳機能障害者では8人中2人、発達障害者では73.0%である。 どのような時に差別を感じるかについては、「日常生活で(他人の視線を感じる/心ない言葉を受ける/障害に対する誤解がある等)」を身体障害者、知的障害者、精神障害者、難病患者、グループホーム入居者、発達障害者で最も多くあげている。 高次脳機能障害者では、8人中3人が「人との交流の場で(話の輪に入れない・活動に参加できない等)」をあげている。 なお、「人との交流の場で(話の輪に入れない・活動に参加できない等)」については、身体障害者、知的障害者、精神障害者、グループホーム入居者、発達障害者でも2位にあげられている。 (23) 成年後見制度の利用意向 成年後見制度を利用したことが最も多い種別は施設入所者(14.4%)で、次いでグループホーム入居者(5.6%)であった。 また、「今は必要ないが、将来必要となったら活用したい」と考えている人が、身体障害者では35.2%、知的障害者では64.2%、精神障害者では50.2%、難病患者では37.8%、施設入所者では70.0%、グループホーム入居者では61.1%、高次脳機能障害者では8人中2人、発達障害者では63.5%みられる。 (24) 施設生活の満足度、施設への要望 現在、入所している施設の生活に「非常に満足」している人は21.1%、「やや満足」している人は38.9%で、合計すると6割の人は概ね満足していることがわかる。 また、入所している施設への要望としては、「余暇活動の充実」をあげる人が50.0%と最も多く、次いで「外出機会の増加」(46.1%)があげられている。 (25) 施設入所者が将来希望する生活 将来は、「現在入所している施設で生活したい」と考えている人が77.8%と最も多いが、「施設を退所して、家族と一緒に生活したい」人が5人(5.6%)みられる。 また、現在入所している施設で生活を続けたいと回答した人にその理由を尋ねたところ、最も多かった理由は「施設にいたほうが安心できるから」(84.3%)で、次いで「家族の受け入れ態勢が整っていないから」(40.0%)、「施設での生活が自分にあっているから」(35.7%)があげられている。 (26) 特別支援学校高等部3年生が将来希望する生活 学校卒業後の日中の過ごし方についての希望を尋ねたところ、33.3%の生徒は「すぐに一般企業などで働きたい」と回答している。次に多い希望は「介護を受けながら、創作的活動や生産活動を行いたい」(30.3%)であるが、「職場探しや職場定着のための支援を受けたい」が27.3%、「施設内で働いたり、生産活動をしながら過ごしたい」が27.3%の回答があったことを考慮すると、就労意欲は高いと言える。 将来については、57.6%の生徒が「自宅で家族といっしょに暮らしたい」、24.2%の生徒が「アパートなどで一人で暮らしたい」と考えている。 (27) 市が充実させていけば良いと思うこと 市が充実させていけば良いと思うこととしては、身体障害者、知的障害者、精神障害者、難病患者、高次脳機能障害者では、「経済的な援助の充実」をあげる人が最も多く、施設入所者では「入所施設の整備」、グループホーム入居者では同率で「入所施設の整備」「地域で生活できる住宅の整備」「災害時における避難誘導体制の確立」、発達障害者では「働く機会の充実」をあげる人がそれぞれ最も多くなっている。「経済的な援助の充実」については、発達障害者でも2位にあげられている。 (28) 福祉サービス全般の満足度 福祉サービス全般について、「満足している」あるいは「少し満足している」と回答した人の割合は、身体障害者では47.5%、知的障害者では30.5%、精神障害者では34.9%、難病患者では32.9%であり、この4種類全体の割合は41.9%であった。 なお、施設入所者は31.1%、グループホーム入居者は66.6%、高次脳機能障害者では8人中4人、発達障害者では24.3%であった。 また、「あまり満足していない」あるいは「満足していない」と回答した人の割合は身体障害者では10.9%、知的障害者では24.6%、精神障害者では20.2%、難病患者では14.9%であり、この4種類全体の割合は14.3%であった。 なお、施設入所者は15.6%、グループホーム入居者は0.0%、高次脳機能障害者では8人中0人、発達障害者では37.9%であった。 発達障害者の他のすべての種類で「満足している」あるいは「少し満足している」が「あまり満足していない」あるいは「満足していない」を上回っている。 障害者福祉に関するアンケート調査報告書《概要版》 発行日 平成29年3月 発行 川越市福祉部障害者福祉課 川越市元町1丁目3番地1 電話 049-224-5785(直通) ファクス 049-225-3033