川越市

市指定有形文化財 木造阿弥陀如来坐像(灌頂院)

更新日:2023年11月9日

市指定有形文化財 木造阿弥陀如来坐像(灌頂院)の写真

名称 木造阿弥陀如来坐像
よみ もくぞうあみだにょらいざぞう
種別 市指定有形文化財 彫刻
員数 1躯
所在地 古谷本郷1428
指定年月日 平成4年4月16日
所有者 灌頂院
備考

 灌頂院(かんじょういん)の客仏として伝来した像で、かつて同院の塔頭(たっちゅう)であった大蔵寺の本尊と伝えられている。像高94.7センチメートル、朴訥(ぼくとつ)な仕上がりの像で、榧かや材の割矧造(わりはぎづくり)、彫眼(ちょうがん)、肉身部漆箔、法衣部朱彩からなる。像の形状は、低平な肉髻(にっけい)を持つ頭部に目の粗い大粒の螺髪(らほつ)を刻み、奥行きのある肥満気味の体躯を厚手で簡素な衣文を刻んだ法衣が深くつつんでいる。右足前に結跏趺坐(けっかふざ)する膝前部はことのほか厚めで、豊かな量感が認められる。
 偉丈夫、朴訥な像容にふさわしく、構造も古風で、頭部幹部は竪一材から彫り出し、木芯は体前部に外している。後頭部耳後で前後に割矧ぎ、大きく内刳(うちぐり)を施す。膝前部は横木一材を矧ぎ寄せ、裳先部に小材を寄せる。その大まかな木取りは、ほとんど一木造の感覚に近いものをうかがわせる。全体に藤原様式を基調としながらも、張りのある面貌や、低平な内髻、彫り浅く簡略に整理された衣文(えもん)表現などから、12世紀末頃から13世紀初頭にかけての復古的な作例と見なされる。旧古尾谷荘の仏教文化の層の厚さを物語る資料として、貴重な存在といえよう。

お問い合わせ

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