銘文から、英義（てるよし）が小川氏の好みに応じて鍛刀した注文刀であることが知られる。
　長さ73.4センチメートル、反り0.5センチメートル。鎬（しのぎ）造、身幅細く、切先の小さな2尺4寸余の形姿美しい長刀で、地鉄の杢目（もくめ）よく詰み、帽子小丸に品よく返った大湾（おおのたれ）の刃文が、いっそうその美しさをひきたたせている。茎（なかご）に桜の花の刻印を施し、さらに目方や刃文の内容まで刻しているのも珍らしく、英義の代表作と認められる。