岩崎勝平 《薬水を汲む》

ページID1013655  更新日 2024年11月29日

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写真:岩崎勝平《薬水を汲む》

制作年 1941年(昭和16)
素材 油彩、キャンバス
寸法 220.9cm×151.6cm
初出展覧会 第4回新文展(無鑑査)(1941年)


この年の第4回新文展に無鑑査で出品した作品である。朝鮮に取材した作品で、少女達の肌、透き通るようなバラ色の衣服が美しく、タッチを抑えた薄塗りの軽快な爽やかな作品となっている。水を汲む少女の手元に他の少女達の視線が集まっていることがわかる。それによって鑑賞者もおのずと水を汲む少女の手元へと視線を誘導される。暖色系の色が多く使われていることにより秋を感じさせ、鑑賞者は豊かさと一種の安心感をおぼえるだろう。
勝平はこの年の文展以降、画壇を離れるため、この作品が展覧会に出品した最後の大作となった。それはこの年が勝平にとって重要な年となり、人生に置ける転換期であることを意味する。前年には父の育太郎が亡くなり、その年に予定していた結婚を1年延ばし、1941年(昭和16年)、先輩画家の斉藤五百枝の娘である百誉(ももよ)と結婚した。しかしその妻が不慮の事故で結婚半年後に亡くなってしまうのである。そのため、この年に描かれたこの作品は、勝平にとって転換期の作品と言えるだろう。

(「アート情報」(館内閲覧システム)2002年公開 より)

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