ゲートキーパー(命の門番)
最終更新日:2023年10月13日
1 ゲートキーパーとは「命の門番」
「ゲートキーパー」とは、自殺の危険を示すサインに気づき、適切な対応(悩んでいる人に気づき、声をかけ、話を聞いて、必要な支援につなげ、見守る)を図ることができる人のことです。
特別な研修や資格は必要ありません。誰でもゲートキーパーになることができます。
自殺対策では、悩んでいる人に寄り添い、関わりを通して「孤独・孤立」を防ぎ、支援することが重要です。
悩んでいる人がいたら、優しく声をかけてあげてください。声をかけ合うことで、不安や悩みを少しでも和らげることができるかもしれません。
2 ゲートキーパーになるには
ゲートキーパーになるために特別な資格はありません。
ゲートキーパーの役割を心がけ、自殺の危険を抱えた人に関わることができれば、あなたもその日からゲートキーパーです。
大切な命を守るために、あなたもゲートキーパーになってみませんか?
ゲートキーパーの心得
- 自ら相手と関わるための心の準備をしましょう。
- 温かみのある対応をしましょう。
- 真剣に聴いているという姿勢を相手に伝えましょう。
- 相手の話を否定せず、しっかりと聴きましょう。
- 相手のこれまでの苦労を労いましょう。
- 心配していることを伝えましょう。
- わかりやすく、かつゆっくりと話しましょう。
- 一緒に考えることが支援です。
- 準備やスキルアップも大切です。
- 自分が相談にのって困った時のつなぎ先(相談窓口等)を知っておきましょう。
- ゲートキーパー自身の健康管理、悩み相談も大切です。
関連情報
厚生労働省 ゲートキーパーになろう(青年期対象)(外部サイト)
厚生労働省 ゲートキーパーになろう(大人対象)(外部サイト)
3 ゲートキーパーの役割
どれか1つができるだけでも、悩んでいる人方にとっては大きな支えになるでしょう。
気づき・・・家族や仲間の変化に気づいて声をかける
眠れない、食欲がない、口数が少なくなった等大切な人の様子が「いつもと違う場合」
うつ 借金 死別体験 過重労働 配置転換 昇進 引っ越し 出産・・・
生活等の「変化」は悩みの大きな要因になります。
一見、他人には幸せそうに見えることでも、本人にとっては大きな悩みになる場合があります。
家族や身近な人のちょっとした変化に気づいてください。
声かけ
大切な人が悩んでいることに気づいたら、一歩勇気を出して声をかけてみませんか。
声かけの仕方に悩んだら・・・
- 眠れてますか?(2週間以上つづく不眠はうつのサイン)
- どうしたの?なんだか辛そうだけど・・・
- 何かに悩んでる?よかったら、話して。
- なんか元気ないけど、大丈夫?
- 何か力になれることはない?
傾聴・・・本人の気持ちを尊重し、耳を傾ける
相手の話を聴くときは、耳を傾け、その言葉と気持ちを受け止めることが大切です。
- まずは、話せる環境をつくりましょう。
- 心配していることを伝えましょう。
- 悩みを真剣な態度で受け止めましょう。
- 誠実に、尊重して相手の感情を否定せずに対応しましょう。
- 話を聞いたら「話してくれてありがとうございます」や「大変でしたね」「よくやってきましたね」というように、ねぎらいの気持ちを言葉にしましょう。
ポイント)本人を責めたり、安易に励ましたり、相手の考えを否定することは避けましょう。
つなぎ・・・早めに専門家に相談するよう促す
相談窓口の紹介にあたっては、相談者に丁寧に情報提供をしましょう。
相談窓口に確実に繋がることができるように、相談者の了承を得たうえで、可能な限り相談先に直接連絡を取り、相談の場所、日時等を具体的に設定して相談者に伝えるようにしましょう。
一緒に相談先に出向くことが難しい場合には、地図やパンフレットを渡したり、相談先へのアクセス(交通手段、経費等)等の情報を提供するなどの支援を行いましょう。
見守り・・・温かく寄り添いながら、じっくりと見守る
相手の変化に気づき、声をかけ、話を聴き、相談機関へつなぐことを繰り返すことが、見守ることになります。
見守ることは、相手が「自分のことを気にかけてくれている人がいる」と実感してもらえるような関わりです。
相談先へつないだ後も、必要があれば相談にのることを伝えましょう。
4 自殺につながるサインや状況
- 過去の自殺企図・自傷歴
- 喪失体験:身近な人との死別体験など
- 苦痛な体験:いじめ、家庭問題など
- 職業問題・経済問題・生活問題:失業、リストラ、多重責務、生活苦、生活への困難感、不安定な日常生活、生活上のストレスなど
- 精神疾患・身体疾患の罹患およびそれらに対する悩み:うつ病など精神疾患や、身体疾患での苦痛など
- ソーシャルサポートの欠如:支援者がいない、社会制度が活用できないなど
- 自殺企図手段への安易なアクセス:危険な手段を手にしている、危険な行動に及びやすい環境があるなど
- 自殺につながりやすい心理状態:自殺念慮、絶望感、衝動性、孤立感、悲嘆、諦め、不信感
- 望ましくない対処行動:飲酒で紛らわす、薬物を乱用するなど
- 危険行動:道路に飛び出す、飛び降りようとする、自暴自棄な行動をとるなど
- その他:自殺の家族歴、本人・家族・周囲から確認される危険性など
5 自殺を防ぐために有効なもの
- 心身の健康:心身ともに健康であること
- 安定した社会生活:良好な家族・対人関係、充実した生活、経済状況、地域のつながりなど
- 支援の存在:本人を支援してくれる人がいたり、支援組織があること
- 利用可能な社会制度:社会制度や法律的な対応など本人が利用できる制度があること
- 医療や福祉などのサービス:医療や福祉サービスを活用していること
- 適切な対処行動:信頼できる人に相談するなど
- 周囲の理解:本人を理解する人がいる、偏見をもって扱われないなど
- 支援者の存在:本人を支援してくれる人がいたり、支援組織があること
- その他:本人・家族・周囲が頼りにしているもの、本人の支えになるようなものがあるなど
話をよく聴き、一緒に考えてくれるゲートキーパーがいることは、悩んでいる人の孤立を防ぎ、安心を与えます。
9月10日から16日は自殺予防週間 3月は自殺対策強化月間です
九都県市自殺対策キャンペーンの取り組みについて(外部サイト)
6 今、ゲートキーパーとして悩んでいる人を支えている人へ
友達や家族の相談にのっていると、「悩みを聞くのがつらい」など、自分が疲れてしまう時があるかもしれません。そんなときは、すべてを抱え込む必要はなく、少し休んでみてはどうでしょうか。
まずは自分の心を大切にしてみてください。
ゲートキーパーとして支える側のあなたが支援をうけることも一つの解決方法です。自分一人で抱え込まず、相談窓口や専門家等に相談してみてください。
7 関連情報
お問い合わせ
保健医療部 保健予防課 精神保健担当(川越市保健所内)
〒350-1104 川越市小ケ谷817番地1
電話番号:049-227-5102(直通)
ファクス:049-227-5108