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妊婦さんの食事について

最終更新日:2024年9月20日

妊婦さんのイラスト

妊婦さんが毎日食べる食事はとても大切です。
赤ちゃんに必要なエネルギーや栄養素を送るために、食生活を振り返ってみましょう。
そして、赤ちゃんや家族、自分自身のためにもよりよい食生活を送るよう心がけましょう。

バランスのよい食事を基本に

毎日の食事をバランスよく食べるためには「主食」「主菜」「副菜」を組み合わせて、たんぱく質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラル等の栄養素をバランスよく摂ることが大切です。妊娠中、授乳中は必要なエネルギーや栄養素が増えるため、しっかり食べましょう。
詳しくは、厚生労働省の「妊産婦のための食生活指針」「妊産婦のための食事バランスガイド」をご覧ください。

妊娠中に積極的にとりたい栄養素

鉄分

赤ちゃんや子宮が大きくなるにつれて、たくさんの血液が必要になるため、鉄欠乏性貧血になりやすくなります。鉄欠乏性貧血を予防するためには、鉄分が豊富な食品を積極的にとることが大切です。
また、鉄分はたんぱく質やビタミンCと一緒に摂ることで吸収率が高まります。鉄分とビタミンCの多い緑黄色野菜を豚肉と炒めたり、鉄分の多い食品と果物を一緒に食べるなど工夫をしましょう。

鉄を多く含む食品
食品 1回あたりの目安の量 鉄の含有量
豚レバー 30g(焼き鳥1本程度)

3.9mg

鶏レバー 30g(焼き鳥1本程度) 2.7mg
かつお 80g(刺身3から4切れ程度) 1.5mg
あさり 80g(10個) 1.2mg
高野豆腐 20g 1.5mg
牛もも肉(赤肉) 70g 2.0mg
ひじき(乾燥) 10g(大さじ2/3) 0.6mg
小松菜 70g(1/3束) 2.0mg

カルシウム

日本人はどの年代でもカルシウムが不足しがちです。生まれてくる赤ちゃんの骨や歯を丈夫にするためには、日頃から意識してカルシウムを摂取することが大切です。また、カルシウムはビタミンDと一緒にとることで吸収率が高まります。ビタミンDの多い魚類や干ししいたけ、きくらげなども意識してとりましょう。

カルシウムを多く含む食品
食品 1回あたりの目安量 カルシウムの含有量
牛乳(普通) 200ml(コップ1杯) 220mg
ヨーグルト 100g(小1カップ) 120mg
プロセスチーズ 20g(スライスチーズ1枚)

126mg

干しエビ 8g(大さじ1) 568mg
ししゃも 60g(3尾) 198mg
木綿豆腐 100g(小1パック) 120mg
小松菜 70g(1/3束) 120mg
水菜 70g(1/2束) 147mg
切干し大根 15g 75mg

妊娠中の体重管理について

妊娠中は、胎児の発育等による体重管理が必要となり、太りすぎもやせすぎもよくありません。妊娠前の体格により望ましい増加量の目安が示されていますので、確認しましょう。

妊娠中の体重増加指導の目安(注1)
妊娠前の体格(注2) 体重増加量指導の目安
低体重(やせ):18.5未満 12から15kg
普通体型:18.5以上25.0未満 10から13kg
肥満(1度):25.0以上30.0未満 7から10kg
肥満(2度以上):30.0以上 個別対応(上限5kgまでが目安)

(注1)「増加量を厳格に指導する根拠は必ずしも十分ではないと認識し、個人差を考慮したゆるやかな指導を心がける。」産婦人科診療ガイドライン産科編2020CQ010より
(注2)体格分類は日本肥満学会の肥満度分類に準じた。
BMI(BodyMassIndex)=身長(kg)÷身長(m)÷身長(m)

参考資料)厚生労働省

妊婦さんの食事Q&A

●妊娠中に特に気をつける食中毒はある?

妊娠中は一般の人よりもリステリア菌に感染しやすくなります。リステリア食中毒の主な原因食品の、ナチュラルチーズ(加熱殺菌していないもの)、肉や魚のパテ、生ハム、スモークサーモンは避け、衛生管理に気を配りましょう。詳しくは厚生労働省の「これからママになるあなたへ・食べ物において知ってほしいこと」「家庭でできる食中毒予防の6つのポイント」をご覧ください。

●水銀が心配ですが、魚は食べてもいい?

妊娠中は魚の量と種類に少し注意が必要です。詳しくは厚生労働省の「お魚について知っておいてほしいこと」をご覧ください。

●つわりや食欲のない時の食事はどうしたらいい?

無理して食べなくても大丈夫です。つわりの間は、食事の時間にこだわらず、食べたいときに食べられるものを選んで食べましょう。つわりで水分も十分にとれなかったり、体重が急に減ったりした場合は医師に相談してください。

●便秘の時は何を食べたらいい?

妊娠期はホルモンの影響などで便秘になりやすい傾向があります。食事量が少なかったり食物繊維や水分が足りなかったりすることも便秘の原因です。便秘を予防するためには、3食の食事を規則正しくとること、食物繊維の多い野菜や果物、海藻、きのこ、いもなどを積極的に食べましょう。また、定期的なトイレタイムで排便のリズムをつけること、散歩などの適度な運動をすることもおすすめです。

●妊娠中は何で葉酸が大切なの?

妊娠を希望する女性、妊娠期は胎児の神経管閉鎖障害発症リスクの低減のために十分な葉酸摂取量が必要となります。葉酸サプリを活用するほか、食事からもしっかりと葉酸の多い食材をとりましょう。葉酸は、ほうれん草、ブロッコリーなどの緑黄色野菜や納豆、いちごなどに多く含まれています。

●体重が増えすぎると何がいけないの?

体重が増えすぎた場合は、妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病、難産、腰痛などのリスクが高まります。3食しっかり食べることも大切ですが、適量を心がけて間食やあぶらの多い食事には注意しましょう。

●体重が増えないと何がいけないの?

体重が増えない場合は、赤ちゃんの低体重や貧血などのリスクが高まります。妊娠中期以降は妊娠前よりも多くのエネルギーが必要となります。お腹が大きくなり胃が圧迫されて、1回に食べられる食事量が少なくなった場合は、間食を取り入れて食事回数を増やすことで必要な栄養をとれるように工夫しましょう。

●妊娠中の食事制限は赤ちゃんの食物アレルギーを予防できる?

自己判断で卵や乳製品などを完全にカットしてしまうと、赤ちゃんに必要な栄養まで不足してしまう可能性があります。現代では、妊娠中に食べたものが、産まれてくる赤ちゃんのアレルギー発症に直接関係することはないと言われています。妊娠中の食事制限については、必ず医師に相談してからにしましょう。

●コーヒーは飲んでも大丈夫?

コーヒーはカフェインを多く含むので、飲みすぎはよくありませんが、1日1から2杯なら問題ないと考えられます。気になる場合はノンカフェインの商品を選びましょう。

●外食やお惣菜は避けたほうがいい?

忙しい時は上手に利用しましょう。外食は単品ではなく、定食のメニューを選ぶことで不足しがちな野菜を補うことができます。丼ものやラーメンでも具がたっぷり入った中華丼や野菜たっぷりラーメンがおすすめです。また、市販品では、普段食べる機会が少ない食材を選ぶといいですね。自分で作る料理より味が濃いと感じるときは、カット野菜等を追加して味付けの調整をすることで、野菜の量も増えて減塩や満腹感にも繋がり一石二鳥です。
(例)ひじきの煮物や切り干し大根の煮物を千切りキャベツと和える等

妊婦さんにおすすめ献立(プレパパママスクール)

総合保健センターで開催しているプレパパママスクールで紹介した妊婦さんにおすすめの主食、主菜、副菜がそろった1食分の献立です。
下記をクリックすると写真とレシピを見ることができます。

妊婦さんにおすすめレシピ♪

妊娠中におすすめのレシピをご紹介します。毎日の食事で「主食」「主菜」「副菜」をそろえてバランスのよい食生活を送りましょう。

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