市指定有形文化財 原家住宅

- 名称
- 原家住宅
- よみ
- はらけじゅうたく
- 種別
- 市指定有形文化財 建造物
- 員数
- 1棟
- 所在地
- 幸町7-1
- 指定年月日
-
昭和56年12月25日
- 所有者
- 個人
- 文化財の概要
-
この建物は、当時呉服商を営んでいた山本平兵衛が建てたもので、長喜院の参道と一番街の通りに面する角地にある。建築年代については、棟札から、大火直後の明治26年(1893)5月24日に棟上げされたことがわかる。棟札には建主と、工事に携わった高柳鉄五郎(大工棟梁)、大野高蔵(杣)、渡辺房吉(左官)、富沢久助(石工)、小川清之助(鳶)の名前も明記され、川越の土蔵造町家建設に関わりのある職人たちが名を連ねている。
外観は角地の立地条件を活かした独特な屋根形態が特徴であり、表通り側を切妻造、長喜院参道側を入母屋造とし、入母屋の妻飾りに木製の懸魚が施され、格式のある構えを見せている。さらに2階の軒先では出桁の上に4段の蛇腹を回し、下屋屋根に目塗台を置き、観音開扉の窓も表通り側に3連、長喜院参道側に2連開けるなど豪華な外観である。なお、長喜院参道側の観音開扉は、山崎もち亀屋と同様、隣接する扉同士が開いた時に再び合わさるようになっており、左官職人の技と心意気を強く感じさせてくれる。間口4間奥行2間半の店蔵には矩かね折おり状に3尺の下屋が回る店蔵に続いて北側が塗籠められた2階建の住居部分が配され、背後に4棟の蔵が連続している。これらの蔵の中で一番街の通りに近い方の蔵には「明治五年壬申年四月吉日」と墨書してあり、大火以前の蔵であることがわかる。
以上のように、原家住宅の建物は、職人の技の粋を結集させて建てられた建築であり、川越を代表する土蔵造町家の一つとして貴重である。
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