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令和5年度市政方針

最終更新日:2024年2月13日

川越市長  川合 善明
本年第一回定例会を招集致しましたところ、議員の皆様の御出席をいただき開会されましたことは、市政伸展のため、誠に喜ばしい限りでございます。
本定例会の開会に当たり、私の市政運営の方針と令和五年度予算並びに主要施策の概要につきまして御説明申し上げます。

市政運営の方針

新型コロナウイルス感染症の流行や、ロシアによるウクライナ侵略を背景とした世界的な物価高騰の中、社会情勢は、先を見通すことが困難な状況が続いております。また、DX(デジタルトランスフォーメーション)や脱炭素などの社会変革への対応も大きな課題となっております。

新型コロナウイルス感染症につきましては、これまで、円滑なワクチン接種や医療提供体制の整備・充実など、感染防止と社会経済活動の両立に向けて取り組んでまいりました。国内での流行が始まってから三年が経過し、少しずつ、以前の日常が戻りつつある中、国は、重症化率の低下がみられることなどを踏まえ、今春五月に、いわゆる感染症法における位置づけを引き下げ、季節性インフルエンザと同じ「五類感染症」とする方針としております。
このような動きを見据え、今後につきましても、市民の皆様の安全・安心に配慮しながら、国・県と連携し、平時の社会経済活動を取り戻せるよう取り組んでまいります。

国が先月発表した景気の基調判断をみますと、ウィズコロナのもとで、景気は緩やかに持ち直しているものの、海外景気の下振れリスクや物価上昇などに十分注意する必要があるとされております。国は、物価上昇に対応するため、電気料金の激変緩和策などを盛り込んだ総合経済対策を講じております。本市におきましても、市民の皆様の暮らしを守るため、国・県の動きと連動しながら必要な対応を行ってまいります。

このコロナ禍では、社会のあらゆる場面におきまして、デジタル化の必要性が強く認識されました。国は、「誰一人取り残されないデジタル化」を実現するため、デジタル庁を司令塔としてDXの推進に取り組んでおります。本市におきましても、多様化する市民ニーズに対応した利便性の高いサービスを提供するため、キャッシュレス化や申請手続きのオンライン化など、川越市行政デジタル化推進プランに基づき、行政のデジタル化を推進してまいります。

また、エネルギーの供給不安が社会問題となる中、省エネルギー対策や再生可能エネルギーの普及促進は、ますます重要となっており、環境保全の側面にとどまらない課題となっております。国は、二○五○年のカーボンニュートラルの目標達成に向けて、あらゆる政策を総動員することとしております。本市におきましても「小江戸かわごえ脱炭素宣言」のもと、市民、事業者、民間団体の皆様と一丸となって、脱炭素社会の実現に向けた取組を進めてまいります。

さまざまな課題を抱え、時代の大きな転換期にあるともいえる現在にあって、持続可能な社会を築くことは、世界共通のテーマとなっております。
第四次川越市総合計画に掲げた「人がつながり、魅力があふれ、だれもが住み続けたいまち 川越」との本市の将来都市像もまた、「環境・経済・社会」がバランスよく発展した未来を目指すSDGsと、方向性を同じくするものといえます。
私は、将来都市像の実現に向け、社会の変化に対応した時宜を捉えた取組を行うとともに、第四次川越市総合計画に掲げた各施策につきまして、引き続き、「四つの川越づくり」として全力で取り組んでまいります。

はじめに「子育てが楽しい川越づくり」でございます。
昨年公表された国の統計では、出生数が過去最少を記録し、合計特殊出生率も六年連続の低下となるなど、我が国における出産と子育ての現状は深刻さを増しております。核家族化などを背景に地域のつながりの希薄化が進む中、長引くコロナ禍のあおりも受け、出産や子育てに対して、不安感や孤立感を抱えやすい状況となっております。こうした中にあっても、安心して、出産・子育てができるよう、オンライン手法も活用した産前・産後にわたる支援や、子育て中の親子が交流できる場の提供など、子育て家庭への各種支援を継続するとともに、妊娠期から出産、子育てまで一貫して必要な支援につなげていく伴走型相談支援と、その実効性を高めるための経済的支援を一体として実施してまいります。
また、子どもたちが、生まれた環境によって左右されずに、将来に希望を持ち、健やかに成長していくためには教育の力が不可欠でございます。子どもたち一人ひとりの可能性を大きく広げていくために、学校ICT環境の整備による個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実や、コミュニティ・スクールによる地域の力を生かした多様な学びの充実などに力を入れて取り組んでまいります。

次に「活力と魅力ある川越づくり」でございます。
本市を代表する蔵造りの町並みをはじめ、さまざまな時代の建造物が織りなす歴史的景観は、多くの来訪者を引き付け、まちの賑わいを生み出す源となっております。こうした本市の魅力をさらに高めていくため、明治期の産業遺構として当時の姿を残す旧川越織物市場を復原し、文化創造インキュベーション施設としてのオープンに向けた準備を進めるとともに、蔵造り資料館店蔵の耐震補強工事に着手してまいります。
併せて、伊佐沼周辺に広がる豊かな自然景観を生かし、農業や自然にふれる体験を提供するグリーンツーリズム拠点の整備拡充を図ることで、本市の新たな魅力を引き出してまいります。
また、本市は国道や高速道路、鉄道が交差する交通結節点としての特性があり、まちの活力を生み出す基盤となっております。こうした特性を生かし、交通利便性のさらなる向上を図るため、南古谷駅や川越駅西口をはじめとする駅周辺整備や、基幹道路の整備を計画的に進めてまいります。併せて、新たな産業用地の確保や企業誘致に引き続き取り組み、雇用創出や地域産業の振興を図ってまいります。

次に「快適で安心できる川越づくり」でございます。
団塊ジュニア世代が高齢者となる二〇四〇年に向けて、高齢者人口のさらなる増加や支援の担い手の大幅な減少が見込まれる中、だれもが助け合いながら生きがいをもって暮らしていくことができる地域共生社会の実現が求められております。
こうした中、介護が必要となっても、住み慣れた地域で安心して生活することができるよう、地域包括ケアシステムの充実に向けた取組を進めてまいります。併せて、複合的な福祉ニーズなどに対して適切な支援につなぐことができるよう、「断らない相談支援」を行う福祉総合相談窓口の機能強化や、地域の多様な主体との連携による地域づくりなど、重層的支援体制の整備を進めてまいります。
また、全国各地で相次ぐ豪雨災害や、発生の可能性が高いとされている首都直下地震など、大規模災害への備えは急務でございます。いざという時に誰もが適切な避難行動をとれるよう、防災意識の啓発や地域の連携強化を図るとともに、避難所の環境整備や、準用河川久保川の改修、ふじみ野市と共同で取り組む川越江川の内水対策などを着実に進めてまいります。

最後に「持続可能な都市、川越づくり」でございます。
本市では、高齢化のさらなる進展に加え、まもなく人口減少局面に突入することが予想され、市税収入の減少、介護や医療などの社会保障費の増加などが懸念されております。こうした中にあっても、必要な市民サービスを将来にわたって安定的に提供していくために、川越市行財政改革推進計画のもと、選択と集中による事務事業の見直しや積極的な歳入の確保など、抜本的な行財政改革に取り組んでまいります。
併せて、近い将来、人口急増期に建設された多くの公共施設などが、一斉に更新時期を迎えることから、川越市公共施設等総合管理計画のもと、長寿命化や更新などの取組を計画的に行うとともに、少子高齢化・人口減少による人口構造などの変化を見据え、計画的なまちづくりを進めてまいります。

昨年、本市は市制施行百周年の大きな節目を迎えました。さまざまなイベントを通じて市民の皆様と盛大にお祝いできたことを大変喜ばしく思っております。また、川越の魅力を多くの方に知っていただく良い機会になりました。
そして、本市は次の百年に向けて、新たな一歩を踏み出します。先人たちが築いてこられた歴史を引き継いでいくとともに、一歩一歩を積み重ね、輝かしい未来を紡いでまいります。
私は、これからも、本市が、魅力あふれる、だれもが住み続けたいまちとして発展し続けられるよう、皆様とともに力をあわせ、全力で市政に取り組んでまいります。

議員各位並びに市民の皆様の一層の御理解と御協力をお願い申し上げ、私の市政運営の方針とさせていただきます。

令和五年度予算の概要

次に、令和五年度予算の概要について申し上げます。
本市の財政は、市税を始めとする経常的な歳入で社会保障費や人件費などの経常的な歳出を賄うには厳しい状況が続き、財政の硬直化が進んでおります。
このような中、令和三年度に策定した川越市行財政改革推進計画に基づき、持続可能な行政サービスの提供と財政運営の健全化に向け、既存事業の見直しを含めた厳しい姿勢で編成作業を行ってまいりました。
令和五年度予算では、コロナ禍からの社会経済活動の正常化が進みつつある中、給与所得や企業収益の持ち直しが続いていることから、歳入の根幹をなす市税収入について増額を見込みました。
その上で、子育て支援をはじめとする福祉施策への取組を進めるとともに、次の百年を見据えた未来への投資を図るため、基金や市債の活用を積極的に行うことで、教育環境の充実や地域経済の活性化、都市基盤の整備に限られた財源を積極的に配分したところでございます。
その結果、令和五年度一般会計の予算規模は、前年度から四十二億八千万円増の一千二百十億円となり、当初予算としては過去最大の規模となりました。また、特別会計の予算規模は八百六十四億七百八十四万円で、一般会計と合わせた予算規模は二千七十四億七百八十四万円となりました。
 一方で、国際的な原材料価格の上昇やエネルギー価格の高騰、さらには新型コロナウイルス感染症の感染動向については常に注視し、必要に応じて補正予算の編成も含めて積極的かつ機動的に対応していく必要があると考えております。

子ども・子育て

始めに、「子ども・子育て」について申し上げます。
子育て安心施設「すくすく かわごえ」につきましては、子育て世代のニーズに対応し、乳幼児の一時預かりや送迎保育事業を行うとともに、子育て中の親子が交流できる場の提供や、子育てに関する相談支援などを引き続き実施してまいります。
また、子育て中の方やこれから子育てをする方が、必要な情報にアクセスしやすくなるよう、スマートフォンアプリを活用した情報発信を行ってまいります。
保育園につきましては、ICTの活用を進め、保育士の負担軽減や保育の質の向上を図るほか、多子世帯の経済的負担を軽減するため、第三子以降の保育料を免除するなどの取組を行ってまいります。また、将来の保育ニーズを踏まえ、老朽化した古谷保育園と古谷第二保育園の統合による新園舎整備に向けて取り組んでまいります。
妊娠期から育児期の不安感を軽減し、安心して出産・子育てができるよう、妊娠期から相談支援を行う産前・産後サポート事業や、産後の心身のケアや育児のサポートを行う産後ケア事業を実施するとともに、子育て経験者が育児のサポートを行う家庭訪問型子育て支援事業「ホームスタート」を引き続き実施してまいります。
経済的に困難な状況であっても、子どもたちの希望する進路に向けた学びの機会を支えるため、無料の学習支援や就学援助などを行うとともに、ひとり親家庭等に対して、生活の安定につながる資格取得や学び直しを支援する取組につきましても、引き続き進めてまいります。
放課後や休日に、子どもたちが安心して過ごすことのできる居場所を提供するため、子どもの居場所づくり事業を推進するとともに、川越市社会福祉協議会との連携により、子ども食堂の運営支援などを行ってまいります。
学童保育室につきましては、入室児童数の増加に対応した増室や、老朽化したトイレの改修、空調設備の入れ替えなどを計画的に進め、良好な保育環境を整備してまいります。
児童発達支援センターにつきましては、障害のある児童生徒やその保護者が安心して生活できるよう、通所支援事業やさまざまな心配ごとに応じる相談支援などを行ってまいります。

福祉・保健・医療

次に、「福祉・保健・医療」について申し上げます。
人生百年時代と言われる中、健康寿命の延伸を図るため、生活習慣病の重症化予防や高齢者のフレイル予防のための保健指導を実施してまいります。
高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らし続けることができるよう、地域密着型サービス施設の拡充を図るとともに、認知症の方やその家族をはじめ、誰もが気軽に参加できるオレンジカフェの開催をより一層推進してまいります。
川越市成年後見センターにつきましては、認知症や知的障害などがあり判断能力が十分でない方が、安心して地域で暮らし、個々の事情に応じて適切に成年後見制度を利用することができるよう、各種相談や申し立て手続きなどの支援を行ってまいります。
障害のある方が、それぞれの特性に応じて、自立した生活を送れるよう、障害福祉サービスの提供に努めるとともに、必要となる障害者施設の整備を行ってまいります。
健康づくりにつきましては、子どもから高齢者まで気軽に取り組むことができるラジオ体操の普及啓発や、生活習慣病予防のための食事教室などを引き続き実施してまいります。また、健康への関心が薄い層への生活習慣病対策として、社員食堂やスーパーマーケット、飲食店などにおいてメニュー改善や啓発活動を行う食環境づくり推進事業を進めてまいります。
四十歳以上の国民健康保険被保険者を対象とした特定健康診査事業の周知啓発や、HPVワクチンをはじめとした各種予防接種の勧奨、がん検診の個別受診勧奨などにより、病気の予防や早期発見に努めてまいります。
また、成人男性への風しん抗体検査や予防接種、妊娠を希望する女性等への風しん予防接種につきましても、引き続き実施してまいります。

教育・文化・スポーツ

次に、「教育・文化・スポーツ」について申し上げます。
子どもたちの個性や能力にあわせて学びを深めることができるよう、少人数学級編制に対応する環境整備を進めるとともに、学校におけるICT環境の整備を進めてまいります。
子どもたちの成長を地域全体で支えていくため、地域住民が学校運営に参画するコミュニティ・スクールを全ての市立学校に拡大し、地域とともにある学校づくりを進めてまいります。また、地域住民の協力により、子どもたちが放課後に、学習や、体験・交流活動を行う放課後子供教室の拡充を図ってまいります。
昨年度から配置しているスクール・サポート・スタッフを引き続き活用し、教員の負担軽減を図ることで、児童生徒への指導や教材研究等に、より一層注力できる体制を整備してまいります。
また、部活動の技術的な指導や引率等を行える部活動指導員を、中学校に導入し、教員の負担軽減と部活動の指導体制の充実を図ってまいります。
小中学校の施設・設備につきましては、教育環境の改善を図るとともに避難所としての環境を整えるため、体育館への空調設備の設置を進めてまいります。併せて、老朽化した重要設備の更新やトイレ改修を計画的に進めてまいります。
スポーツ振興につきましては、気軽にスポーツに親しむきっかけづくりとしてスポーツ教室を開催するとともに、中学校にオリンピアンを招き、オリンピックの価値やスポーツの楽しさを伝えてまいります。また、全国から集まったランナーたちが、本市を代表する蔵造りの町並みを駆け抜ける小江戸川越ハーフマラソンにつきましても、引き続き実施してまいります。
美術館につきましては、近代の図案家である杉浦(すぎうら)非水(ひすい)氏や、本市ゆかりの美術家である中村(なかむら)一美(かずみ)氏の特別展を開催するなど、市民の皆様が身近なところで、質の高い芸術に触れられる機会を提供してまいります。
文化財につきましては、国内最大の上円下方墳であり、本年、国の史跡に指定される予定である山王塚古墳の保存に向けた検討を進めるとともに、文化財を地域の皆様と協力して、保存・活用し、継承していくため、文化財保存活用地域計画を策定してまいります。

都市基盤・生活基盤

次に、「都市基盤・生活基盤」について申し上げます。
鉄道駅周辺整備につきましては、南古谷駅の北口開設に向けて、自由通路及び駅舎の実施設計や事業用地の取得を進めるとともに、川越駅西口周辺の交通の円滑化を図るため、都市計画道路などの基盤整備を進めてまいります。併せて、川越市駅周辺のまちづくりの将来像などにつきまして鉄道事業者との協議を進めてまいります。
産業遺構として希少性の高い旧川越織物市場につきましては、整備工事を完了させるとともに、令和六年度のオープンに向けて利用者募集などの準備を進めてまいります。併せて立門前線の美装化工事を行い、周辺の賑わいの創出や回遊性の向上を図ってまいります。
また、本市に残る歴史的建造物を後世へ継承するため、建造物の所有者と利活用を希望する事業者等を結び付ける取組などにより、保存活用の促進を図ってまいります。
市内道路網の充実を図るため、広域的な幹線道路の整備を計画的に進めてまいります。併せて、地域の日常生活を支える身近な生活道路の拡幅整備を行うとともに、橋りょうの計画的な修繕や耐震補強を進め、道路の安全性を確保してまいります。
過去に見舞われた水害を踏まえ、川越江川及び下小坂樋管周辺の内水対策や雨水貯留施設の築造工事を着実に進めるとともに、準用河川久保川の改修を引き続き進めてまいります。
市内循環バス「川越シャトル」につきましては、利用状況等を踏まえた効果的・効率的な運行を行ってまいります。併せて、デマンド型交通「かわまる」につきましては、さらなる認知度向上や利用促進を図ってまいります。また、自転車シェアリングにつきましては、利便性向上を図りつつ、より効率的な事業運営を進めてまいります。
生活に不可欠なインフラ施設である上下水道施設につきましては、計画的に耐震化や長寿命化などを進め、適切な維持管理に努めてまいります。
市民の憩いの場であり、災害時の避難場所ともなる公園施設につきましては、計画的な整備を進めるともに、市民の皆様が快適に利用できるよう、適切な維持管理に努めてまいります。
空家等対策の推進のため、川越市空家等対策計画に基づき、所有者等に対して適切な管理を促すとともに、発生予防に係る意識啓発や空家等の活用促進を図ってまいります。また、老朽化が進み管理不全となるマンションの発生を防ぐため、川越市マンション管理適正化推進計画に基づく管理計画認定制度を運用するなど、管理組合によるマンション管理の適正化を推進してまいります。

産業・観光

次に、「産業・観光」について申し上げます。
商業支援につきましては、商店街の空き店舗の利活用を促進するための商店街空き店舗対策事業補助や、後継者不足による事業所の減少に対応するための事業承継店舗改修等補助を引き続き実施してまいります。
中小企業支援につきましては、融資を受けた中小企業の金利負担を軽減するため、利子補給金の交付を実施してまいります。
企業誘致につきましては、企業誘致に伴う産業振興に関する基礎調査を行うとともに、新たな産業用地の確保や企業立地奨励金制度の活用により、既存企業との相乗効果が見込まれる企業の誘致に努めてまいります。また、増形地区の産業団地につきましては、県から引き渡しを受ける調整池や排水施設、公園等の維持管理を行ってまいります。
雇用支援につきましては、本市の就労支援の拠点である「川越しごと支援センター」において、引き続き、国と一体で求職者の支援を実施してまいります。
農業施策につきましては、ロゴマークの活用などにより、川越産農産物のブランド化を推進するとともに、川越産農産物を提供する飲食店や宿泊施設の認定を行う取組を進めてまいります。また、昨年十一月の農業ふれあいセンターのリニューアルオープンに加え、キャンプ用地の取得を進めることで、グリーンツーリズムの拠点施設整備を進めてまいります。農業用水路としての機能が低下する伊佐沼代用水路につきましては、国、県、荒川右岸用排水土地改良区と協力し、水路のコンクリート化を進めることで、維持管理の省力化や農業経営の安定化を図ってまいります。
観光施策につきましては、開館から二十周年を迎える川越まつり会館の記念式典を行うほか、観光需要の回復を見据え、インバウンドを含めた観光客の増加に対応するため、観光案内所の体制強化を図ってまいります。

環境

次に、「環境」について申し上げます。
脱炭素社会の実現に向けて、住宅用の太陽光発電システムや蓄電池等への補助を継続し、再生可能エネルギーや省エネルギー機器の普及促進を図るほか、電気自動車の普及促進に関する取組を行ってまいります。また、国の地球温暖化対策計画の改訂を踏まえ、本市の地球温暖化対策実行計画区域施策編を改訂し、温室効果ガス排出量の削減目標を新たに定め、地球温暖化対策を推進してまいります。
緑豊かなまちづくりを推進するため、市民花壇の指定や植樹などにより、市内に緑を増やす取組を進めてまいります。
ごみの再資源化を推進するため、適正な分別を促進するとともに、外国籍市民の方でも家庭ごみの出し方がわかりやすいよう、多言語に対応したリーフレットの配布などの取組を進めてまいります。
ごみの減量化を推進するため、食品ロスの削減に向けた、市民や事業者への啓発やフードドライブの実施に取り組んでまいります。
稼働開始から四十年以上が経過した環境衛生センターにつきましては、経年による劣化が進んでいることから、施設の更新を計画的に進めてまいります。

地域社会・市民生活

次に、「地域社会・市民生活」について申し上げます。
多様な生き方を認め合い、一人ひとりが生き生きと暮らせる社会の実現に向けて、男女共同参画に関する啓発活動を行うとともに、性的マイノリティの方々の生きづらさを少しでも軽減できるよう、川越市パートナーシップ宣誓制度を継続するなど、ジェンダー平等の取組を進めてまいります。
防災につきましては、消防、警察、自衛隊などの防災関係機関や、自治会、自主防災組織などと共に、地震災害を想定した総合防災訓練を実施することで、「自助・共助・公助」の連携強化や防災意識の高揚を図ってまいります。
防犯につきましては、高齢者を狙った特殊詐欺や女性・子どもなどに対する犯罪を防止するため、関係機関や自治会等と連携しながら、防犯情報の発信や防犯対策等をテーマとした各種講座の実施などを通じて、防犯意識の高揚を図ってまいります。
交通安全対策につきましては、通学路の安全対策として、グリーンベルトの設置などを引き続き進めるとともに、子どもから高齢者まで、年齢や特性に応じた交通安全教育を実施することにより、交通安全意識の啓発に努めてまいります。

住民自治・行財政運営

後に、「住民自治・行財政運営」について申し上げます。
地域の皆様が主体的に取り組む地域づくりの活動を支援するため、地域会議の運営や事業の実施を引き続き支援するとともに、市民活動団体などの提案による協働事業を推進してまいります。
また、市民の皆様の声を市政に反映させるため、市民の皆様と直接意見交換する場であるタウンミーティングを定期的に開催してまいります。
将来にわたり、さまざまな行政課題に対応しながら持続可能な行財政運営を行うため、川越市行財政改革推進計画に基づき、事務事業の見直しや歳入の確保などに取り組んでまいります。
また、業務の効率化を図り、市民サービスの向上に、より一層注力できるようにするため、AI-OCRやRPAの活用など、行政のデジタル化を推進してまいります。
ふるさと納税につきましては、より多くの方に、本市の事業を応援していただけるよう、返礼品の拡充や情報発信に引き続き取り組んでまいります。併せて、企業版ふるさと納税につきましても、より多くの企業に御賛同いただけるよう、寄附を募集する事業の効果的な周知などを図ってまいります。
老朽化が進む公共施設につきましては、川越市個別施設計画を踏まえた計画的な整備更新に向けて取り組んでまいります。また、公共施設の施設カルテの活用を進めるなど、効率的で効果的な社会資本マネジメントを推進してまいります。

以上が、私の市政運営の方針と、令和五年度予算並びに主要施策の概要でございます。議員各位並びに市民の皆様の御理解と御協力を賜りますよう、お願い申し上げます。

参考

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