令和3年度市政方針
最終更新日:2022年2月16日
川越市長 川合 善明
本定例会に当たり、私が四期目に臨むに当たっての市政運営の方針と令和三年度予算並びに主要施策の概要につきまして御説明申し上げます。
市政運営の方針
私は、この度の市長選挙におきまして、この歴史と伝統ある川越市の市政運営のかじ取りという重責を、引き続き担わせていただくことになりました。
「改革」「公正」「公開」という私の基本姿勢とこれまで取り組んできた三期十二年間の市政が、評価をされた結果であると重く受け止めております。
また、これからの市政に対する期待の大きさに、大変、身の引き締まる思いであり、現在も続くコロナ禍と近年頻発する災害にしっかり立ち向かい、先人たちが進めてきた川越市の歩みを未来へつなげるために、誠心誠意、市長としての務めを果たしてまいります。
今後とも、市民の皆様との対話を重視し、これまでに培った経験と実績を礎として、「住むことに誇りを持ち、住んでよかったと思えるまち川越」の実現に向け、全身全霊を傾けて取り組んでまいります。
昨年を振り返りますと、新型コロナウイルス感染症が世界中で拡大し、予定されていた東京2020(ニイゼロニイゼロ)オリンピック・パラリンピック競技大会が延期されるなど、これまでに経験したことがない一年でございました。
新型コロナウイルス感染症への対応はいまだ続いており、ワクチン接種に向けた市の体制整備を速やかに行ったところでございますが、更に、コロナ禍を乗り越えるため、感染拡大防止対策、医療提供体制の維持・確保はもとより、市内事業者への支援などの経済対策、保護者・児童生徒が安心して学べる教育体制・教育環境の整備を進め、皆様が安心して市民生活を送れるよう、尽力してまいります。
一方で、昨年は、川越駅西口市有地利活用事業が結実し、官民連携による複合施設のオープンに併せ、川越市民サービスステーションを開設することができました。川越市民サービスステーションは、誰でも利用しやすく利便性が優れていることをコンセプトとしており、今後も更なる市民サービスの向上に努めてまいります。
さて、本年は、東京2020(ニイゼロニイゼロ)オリンピック・パラリンピック競技大会が仕切り直しとなり、本市でオリンピックのゴルフ競技が開催される記念すべき年でございます。これまで、会場周辺の基盤整備など、大会の円滑な運営に向け、準備を進めてまいりましたが、コロナ禍においても安全・安心な大会となるよう、引き続き取り組んでまいります。
我が国の経済状況につきましては、景気は、新型コロナウイルス感染症の影響により、依然として厳しい状況にあります。景気は、持ち直しの動きがみられるとの基調判断がなされておりますが、新型コロナウイルス感染症の影響は、いまだ先行きが不透明であると考えられ、引き続き本市の地域経済や市民生活への影響を注視する必要がございます。
地方財政に目を向けますと、近年、全国的に、巨額の財源不足が生じているところに、新型コロナウイルス感染症の影響により、地方税等が大きく減少するなど、景気変動による通常の増減収を超えた大幅な減収が生じる見込みであるとされております。本市においても例外ではなく、歳入の根幹をなす市税の減収が見込まれることから、財政状況は一層厳しさを増しております。
こうした中、国は、新型コロナウイルス感染症の拡大防止策、ポストコロナに向けた経済構造の転換・好循環の実現、防災・減災、国土強靭化の推進など安全・安心の確保を柱とする経済対策を打ち出しており、また、2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにするとしております。
本市といたしましては、こうした国政の動きを的確に捉え、これに呼応しながら、効果的な施策を展開すべく、第四次川越市総合計画の各施策につきまして、引き続き四つの川越づくりとして全力で取り組んでまいります。
まず、「子育てが楽しい川越づくり」でございます。
私は市長就任以来、市内保育施設の定員につきましては、民間保育所等の整備を進めることにより、約三千名増やしてまいりました。これにより、本市の待機児童数は、令和二年度当初で二人となり、目標であった待機児童の解消まで、あと一歩のところまでまいりました。引き続き、保育ニーズに応えていくとともに、妊娠・出産から子育てまで、切れ目のない支援に取り組み、川越で産み、育ててよかったと思っていただけるよう、尽力してまいります。
具体的な施策といたしましては、本年夏の開設を目指し、本川越駅に近接する子育て安心施設の整備を進めており、同施設の機能の一つとして、保育ステーション事業を展開し、子育て世帯の利便性の向上を図り、子育てしやすい環境整備に引き続き取り組んでまいります。
国のGIGAスクール構想に対応し、教育の情報化の推進を図り、災害や感染症の発生した状況においても、児童生徒に学びの機会を提供するため、学校におけるICT環境整備を計画的に進めるとともに、子どもたちの心の教育など、様々な課題にもきめ細かく対応してまいります。
子ども一人ひとりが、生まれ育った環境によって左右されることなく、将来に希望を持つことができるよう、家庭の経済状況などの養育環境に配慮した施策を引き続き進めてまいります。
次に、「活力と魅力ある川越づくり」でございます。
都市基盤整備は、将来の都市の姿を定め、地域の皆様の御協力を得ながら、着実に進めていく必要がございます。
本市は歴史や文化、豊かな自然に恵まれており、これらを大切に守り育てるとともに、活力と魅力のあるまちづくりを目指し、計画的に都市基盤整備を進めてまいりたいと考えております。
具体的な施策といたしましては、川越駅周辺地区につきましては、新年度は、川越駅東口の駅前広場の改修や脇田歩道橋の耐震化を完了させ、利用者の安全性の確保や利便性の向上を図ってまいります。
南古谷駅につきましては、北口開設を目指し、周辺地区整備に引き続き取り組んでまいります。
都市の魅力を高めるため、幹線道路の整備や交差点改良を進めることにより、市街地における交通の円滑化を図ってまいります。
グリーンツーリズムの拠点施設整備を行い、蔵inガルテン川越の事業を進めてまいります。
交通の利便性が高い本市の立地特性を生かし、産業用地の確保や、企業誘致に取り組み、新たな雇用創出や本市産業の更なる活性化を図ってまいります。
次に「快適で安心できる川越づくり」でございます。
誰もが健康で、快適に安心して暮らせることは、私のまちづくりの姿勢の基本としているところでございます。
喫緊の課題である新型コロナウイルス感染症の拡大防止に注力するとともに、近年、各地で猛威を振るっている大規模自然災害からも市民を守り、被害が発生しても、迅速に回復するための強靭な地域をつくる施策を進めてまいります。
具体的な施策といたしましては、新型コロナウイルス感染症のまん延を予防し、市民の皆様の生命と健康を守るため、医療機関等と連携・協力しながら、有効で安全なワクチンの接種を迅速かつ円滑に行ってまいります。
近年の台風被害を踏まえ、国や県と連携し、河川整備や雨水対策といったハード面の整備を推進するとともに、自治会など地域組織と連携した防災体制の更なる強化を図るなど、安心して暮らせる災害に強いまちづくりを進めてまいります。
また、本市におきましても、高齢化が確実に進行しており、高齢者単身世帯や高齢者のみの世帯も増加する傾向にあり、地域の住民一人ひとりが生きがいや役割を持ち、支え合いながら、自分らしく活躍できる地域共生社会の実現に向けた取組を進めてまいります。
その一つとして、昨年川越市民サービスステーション内に設置した「福祉総合相談窓口」につきましては、いわゆる8050(ハチマルゴウマル)問題などの複合的な課題をはじめ、福祉に関する様々な相談を一体的に受け止め、課題を整理して早期の支援につなげるべく、更なる充実を目指してまいります。
更に、高齢者に対しては、地域包括ケアシステムの構築・充実に向けた取組を引き続き進めるとともに、成年後見制度の利用促進を図るため、中核機関を設置し、各種相談や個々の事情に応じた支援を行ってまいります。
順次運行地区を拡大してまいりましたデマンド型交通「かわまる」につきましては、利便性の向上を図ってまいります。
日常生活を支える生活道路や、児童生徒の通学路の安全対策につきましても、引き続き力を入れて取り組んでまいります。
最後に「持続可能な都市、川越づくり」でございます。
新型コロナウイルス感染症の影響により、市税の減収が見込まれるなか、必要な行政サービスを確実に提供していくため、限られた行政資源を最大限活用し、選択と集中による効率的かつ効果的な行財政運営に取り組んでまいります。
また、本市では、昭和四十年代後半からの急激な人口増加に対応し、この時期に多くの社会資本を整備いたしましたが、それが、一斉に老朽化し、更新時期が到来することになります。これら全ての社会資本を更新することは、厳しい財政状況を鑑みましても困難なことであり、人口減少や少子高齢化を迎える状況にも対応し、次の世代に過度な負担を残さないよう、計画的なまちづくりを進めてまいります。
具体的な施策といたしましては、市民生活に直結する廃棄物処理施設である、東清掃センターの大規模改修を継続して進めてまいります。
学校や市民センターなどの公共施設、橋りょう等のインフラ施設につきまして、社会資本マネジメントの視点から、整備・更新・長寿命化を総合的かつ計画的に進めてまいります。
また、人口減少に伴う地域経済の規模の縮小を克服するため、若者が働き、交流し、子どもを産み育てていくことに、期待と喜びを感じられるまちを目指し、地方創生の取組を引き続き着実に進めてまいります。
本市の記念すべき節目である市制施行百周年もいよいよ一年後となりました。
「時をつなぐ 未来をつむぐまち 川越」のキャッチフレーズのもと、各種団体で構成される市制施行100周年会議において記念事業の検討を進めるなど、本格的な準備を進めてまいります。また、初雁公園につきましては、川越市初雁公園基本計画に基づき、城址公園として、まずは、県指定文化財である川越城本丸御殿の周辺について広場整備を進めてまいります。
新年度からは、第四次川越市総合計画後期基本計画が始まります。
市制施行百周年を目前にして、本市の次の百年という未来を見据える中、オリンピックを新たなレガシーとし、先人が築いてきた歴史と伝統ある川越が更なる飛躍を遂げますよう、総合計画の将来都市像である「人がつながり、魅力があふれ、だれもが住み続けたいまち 川越」の実現に向けて、全力で各施策に取り組んでまいります。
議員各位並びに市民の皆様の一層の御理解と御協力をお願い申し上げ、私の市政運営の方針とさせていただきます。
令和三年度予算の概要
次に、令和三年度予算の概要について申し上げます。
本市は、経常的な経費の割合が極めて高い財政構造で、財政の硬直化が進行しております。財政調整基金もこの数年は減少傾向にあり、税収の落ち込みや災害等への備えとして十分ではない状況でございます。
このような中、新型コロナウイルス感染症は、市民生活や企業活動へ甚大な影響を及ぼしておりますが、本市財政にも大きく影響しております。令和三年度予算は、雇用環境や企業業績の悪化から市税収入が前年度よりも約三十三億円減少する見込みであるという厳しい状況の下で編成作業を行ってまいりました。
まず、新型コロナウイルス感染症への対応では、医療費やPCR検査の公費負担の経費を見込んだほか、ウイルス検査体制の確保に要する経費を計上し、引き続き感染拡大の防止に努めてまいります。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響は現在も継続していることから、感染拡大防止対策、医療提供体制の維持・確保、市民生活や地域経済への支援につきましては、国の交付金等も活用しながら引き続き積極的に取り組んでまいります。
このほか、一般行政経費につきましては、高齢化の進行による増加を見込んだほか、税収が減少する中で扶助費や各種補助金などはできるだけ影響が及ばないように予算の配分に努めつつ、物件費などの経常的な経費の縮減や事業の選択と集中により対応してまいりました。
令和三年度一般会計の予算規模は、前年度から三十七億八千万円減の一千百二十億七千万円となりました。
特別会計の予算規模は八百二十四億七千八百八十八万六千円で、一般会計と合わせた予算規模は一千九百四十五億四千八百八十八万六千円となりました。
現在の財政構造や新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ、抜本的な行財政改革に全力で取り組んでまいります。
次に、令和三年度予算における主要事業の概要につきまして、第四次川越市総合計画の施策体系別に申し上げます。
子ども・子育て
始めに、「子ども・子育て」について申し上げます。
待機児童対策といたしまして、認定こども園の整備補助を行うとともに、様々な保育ニーズにも対応できるよう、子育て安心施設に保育ステーションの開設を進めてまいります。
福祉総合相談窓口等において利用者支援事業を展開し、妊娠から子育て期に渡る様々な相談を受け止めてまいります。
産前産後に子育て経験者等による相談支援や親同士の交流が図れる産前・産後サポート事業や、宿泊等による産後の心身のケア、育児サポート等を行う産後ケア事業を進めるとともに、身近に相談できる相手がいないなど、支援が必要な未就学児を持つ家庭を対象とした、家庭訪問型子育て支援事業「ホームスタート」を引き続き実施してまいります。
経済的な支援が必要な家庭に対する学習支援や就学援助を実施するとともに、ひとり親家庭等における資格取得や学び直しのための支援についても引き続き実施してまいります。
学童保育室につきましては、保育室の増室やトイレの洋式化等の改修工事を行い、良好な保育環境を整備してまいります。
児童発達支援センターにつきましては、地域の児童発達支援の専門施設として、通所利用の障害児だけでなく、発育発達に不安や心配のある子どもとその家庭を対象とした相談・支援等を行ってまいります。
福祉・保健・医療
次に、「福祉・保健・医療」について申し上げます。
高齢者福祉につきましては、介護予防や日常生活支援の取組、地域の多様な担い手による支え合いの体制整備を進めるとともに、高齢者の生きがいづくりや、地域貢献等を奨励する介護支援いきいきポイント事業などの取組を引き続き実施してまいります。また、必要な介護サービス等を確保するため、民間福祉施設の整備に向けた支援も引き続き実施してまいります。更に、認知症等により財産管理や日常生活等に支障のある方に対する成年後見制度の充実に向け、中核機関の設置を行ってまいります。
障害者福祉につきましては、障害のある方が住み慣れた地域で安心して暮らせるよう、障害者施設への支援を引き続き実施してまいります。また、川越市手話言語条例の基本理念に則り、手話に対する理解と手話の普及を推進するため、啓発事業や手話通訳者の養成・派遣を実施してまいります。
福祉総合相談窓口におきましては、主に高齢の方に対する福祉相談センター、障害のある方に対する障害者総合相談支援センター、生活に困窮している方に対する自立相談支援センターなどが、子育てに係る利用者支援事業とも併せて、相互に連携し、複雑化・複合化している市民の相談を一体的に受け止め、課題を整理して早期支援につなげてまいります。
健康づくりにつきましては、がんを早期発見することの重要性から、がん検診の受診機会の充実や個別受診勧奨に取り組んでまいります。また、大人の男性の風しん抗体検査や予防接種、妊娠を希望する女性等への風しん予防接種を実施してまいります。
喫緊の課題である新型コロナウイルス感染症対策につきましては、PCR検査等の公費負担、感染症入院医療費の公費負担など、感染状況等により、国や県から示される方針を踏まえながら、市独自の施策も含め、迅速かつ適切に対応してまいります。
教育・文化・スポーツ
次に、「教育・文化・スポーツ」について申し上げます。
グローバル化の進展に対応し、英語教育の充実を図るため、英語指導助手の活用を推進し、また、複雑化した要因により不登校等の課題を抱える児童生徒を支援するため、スクールソーシャルワーカーの配置も継続してまいります。
情報教育推進のため、ICT環境整備を引き続き進めるとともに、老朽化した小中学校設備の更新を行ってまいります。
文化芸術の振興のため、様々な文化団体等との連携や協働により、各種文化芸術事業を実施してまいります。また、子どもたちが文化芸術に親しむ機会となる、文化芸術体験事業を引き続き実施してまいります。
美術館につきましては、特別展の開催や常設展の展示替えを行うなど、市民の皆様が身近なところで質の高い芸術に触れる機会を創出してまいります。
生涯スポーツの推進のため、様々な年代の方が学び、親しめるスポーツ教室を開催するとともに、次世代を担う子どもたちのため、ジュニアアスリート育成事業を実施してまいります。また、今年度は新型コロナウイルス感染症の影響により中止を余儀なくされた小江戸川越ハーフマラソンにつきましても、実施に向け準備を進めてまいります。
文化財につきましては、県指定史跡である川越城跡の復元的整備の基礎資料とするため、学術的な発掘調査を行うなど、貴重な文化財の保護に努めてまいります。
都市基盤・生活基盤
次に、「都市基盤・生活基盤」について申し上げます。
川越駅につきましては、東口駅前広場の改修や脇田歩道橋の耐震化を完了させてまいります。
南古谷駅につきましては、北口開設に向け、自由通路設置及び橋上化等に関する基本設計を行い、また、事業に必要な用地の取得を進めてまいります。
川越市駅につきましては、鉄道事業者と協力して、駅周辺部のまちづくりの検討を進めてまいります。
市指定文化財である旧川越織物市場につきましては、文化創造創業支援施設として、施設整備等を進めてまいります。
市内道路網の充実を図るため、幹線道路の整備を進めてまいります。また、生活道路の整備を着実に進め、安全で安心な生活環境を確保してまいります。
中心市街地の交通円滑化のため、松江町交差点の改良に向けた取組を進めるとともに、自転車シェアリング事業を引き続き実施してまいります。また、多くの観光客が訪れる北部市街地の交通対策について引き続き検討を進めてまいります。
デマンド型交通「かわまる」につきましては、御利用いただいた市民の皆様からの御意見等も参考に漸次工夫を重ね、利用促進を図ってまいります。また、川越シャトルにつきましても、身近な公共交通として適切な運営管理に努めてまいります。
一昨年の令和元年東日本台風等を踏まえ、引き続き、江川流域都市下水路及び下小坂樋管周辺の内水対策の取組や公園を活用した雨水貯留施設の築造を進めてまいります。また、準用河川久保川の改修を推進してまいります。
日常生活に欠くことのできない上下水道につきましては、施設の耐震化対策や老朽化対策を進め、適切な維持管理に努めてまいります。
初雁公園につきましては、段階的な整備を進める中、市制施行百周年を目指して本丸御殿周辺の広場整備を進めてまいります。
空家等対策につきましては、川越市空家等対策計画に基づき、所有者に適切な管理を促すとともに、空家等対策を総合的かつ計画的に進めるため、空家等の実態調査を実施し、市内に存する空家等の把握及び情報管理に努めてまいります。
産業・観光
次に、「産業・観光」について申し上げます。
商業支援といたしましては、後継者不足による事業所の減少に対応するための事業承継店舗改修等補助を引き続き実施してまいります。
中小企業支援といたしましては、融資を受けた中小企業の金利負担を軽減するため、利子補給金の交付を引き続き実施するとともに、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた小規模企業者の経営の安定化のため、「川越市小規模企業者セーフティ融資」の特例融資に係る利子について、令和二年度中に申し込まれたものに対する補助を新年度も行ってまいります。
企業誘致につきましては、新たな産業用地の確保や企業立地奨励金制度の活用により、税収増や雇用の確保、既存企業との相乗効果が見込まれる企業の誘致に努めてまいります。また、増形地区の産業団地整備につきましても、事業主体である埼玉県と連携して、事業の進捗に取り組んでまいります。
雇用支援につきましては、昨年川越市民サービスステーション内に移転した就労支援の拠点である川越しごと支援センターにおきまして、引き続き、国と一体的に求職者の支援を実施してまいります。
農業施策につきましては、農業ふれあいセンターの改修工事を行うなど、蔵inガルテン川越の事業を進めていくとともに、ロゴマークの活用や直売イベントへの協力などにより、川越産農産物のブランド化を推進してまいります。
観光につきましては、オリンピックを迎える中、観光客の誘客に対応するとともに、コロナ禍における観光施策を検討してまいります。
環境
次に、「環境」について申し上げます。
脱炭素社会の実現に向けて、再生可能エネルギー等の普及促進や公共施設の省エネルギー化の推進など、地球温暖化対策を更に進めてまいります。
豊かな本市の環境を将来へ引き継いでいくことができるよう、市民参加による市民環境調査・自然環境調査を実施するとともに、こどもエコクラブの活動の推進などを通じて、環境に関する啓発に努めてまいります。
緑豊かなまちづくりを推進するため、市民花壇の指定や寄附植樹による公共施設等の緑化など、市内に緑を増やす取組を実施してまいります。
ごみの減量や資源化を促すため、食品ロスの削減やプラスチックごみ削減に向けた取組を進めてまいります。また、近年増加している外国籍市民の方を対象に、多言語に対応した家庭ごみの出し方のリーフレットを提供するなど、ごみの適正な排出の啓発に取り組んでまいります。
建設から長期間経過した東清掃センターにつきましては、施設の延命化を図り、大規模改修工事を実施してまいります。
地域社会・市民生活
次に、「地域社会・市民生活」について申し上げます。
多様な生き方や価値観を認め合い、一人ひとりが生き生きと暮らせる社会の実現を目指し、男女共同参画に関する啓発活動を行うほか、今年度導入したパートナーシップ宣誓制度など、性的少数者への理解の促進に向けた取組を引き続き実施してまいります。
防災対策につきましては、近年激甚化・頻発化する自然災害を踏まえ、高齢の方、障害のある方などの要配慮者への支援を今以上に充実させるとともに、新型コロナウイルス感染症への対応を含めた避難所運営体制の整備を行うなど、更なる強化を行ってまいります。また、防災拠点施設間の通信手段を確保するため、IP無線機の配備を進めてまいります。
防犯対策につきましては、市民の防犯意識をより高め、市民生活における身近な犯罪を防止するため、防犯情報の収集・提供や特殊詐欺対策などの取組を進めてまいります。また、新たに犯罪被害者等への支援に向けた取組も進めてまいります。
交通安全対策につきましては、川越警察署と連携したゾーン三十事業を進めるとともに、継続して実施している児童生徒の通学路の安全点検を基に、グリーンベルトの設置などによる通学路の安全対策を実施してまいります。また、児童から高齢者まで、その年齢や特性に応じた交通安全教室を開催するなど、交通安全に関する意識啓発に努め、交通事故のない社会を目指してまいります。
住民自治・行財政運営
最後に、「住民自治・行財政運営」について申し上げます。
地域会議につきましては、住みよい地域づくりにおける市の協働パートナーとして位置づけ、その結成を促進するとともに、主体的な実施事業や運営を支援してまいります。
タウンミーティングにつきましては、今年度は新型コロナウイルス感染症の影響により実施することができませんでしたが、新年度は、市民の皆様と直接対話し、市民の立場に立った市政運営を行うため、新型コロナウイルス感染症の状況を踏まえながら、再開してまいります。
市民活動団体等が様々な課題を解決するために主体的に取り組む協働事業の支援などを通じて、市民・事業者・民間団体等の協働を推進してまいります。
行政のデジタル化を進め、まずは、会議録作成支援システムの導入や、税申告書のAI-OCRによる読み取り、RPAによる課税システムへの入力などを実施してまいります。
老朽化が進む公共施設への対応として、施設ごとの具体的な取組を示した個別施設計画に基づき、公共施設の建築経過年数を見据えた施設更新に向け、社会資本マネジメントの取組を進めてまいります。また、本庁舎につきましては、引き続き空調設備などの改修を計画的かつ効率的に進めてまいります。
オリンピックのゴルフ競技開催につきましては、大会が安全かつ円滑に運営されるよう、東京2020(ニイゼロニイゼロ)組織委員会や埼玉県と連携し、観客等の輸送や都市ボランティアの運営に取り組んでまいります。また、パブリックビューイング等の大会関連イベントや、市内学校に通う子どもたちへの競技観戦機会の提供などにつきましては、新型コロナウイルス感染症の状況を踏まえ、国や組織委員会の動向を注視しつつ、実現可能な方法で実施してまいります。
市の事業を応援したいという方の気持ちを寄附を通じて実現するとともに、事業に必要な財源の確保を図るため、ふるさと納税の取組を引き続き進めてまいります。
新年度から始まる第四次川越市総合計画後期基本計画の各施策を着実に推進することで、総合計画の将来都市像の実現を目指してまいります。
以上が、私の市政運営の方針と、令和三年度予算並びに主要施策の概要でございます。議員各位並びに市民の皆様の御理解と御協力を賜りますよう、お願い申し上げます。
参考
「令和3年度市政方針(予算の概要)」の一般会計款別事業一覧(PDF:114KB)
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