没後50年 岩崎勝平(2014年度春)
最終更新日:2015年1月3日
没後50年 岩崎勝平
川越出身の画家、岩崎勝平(1905-64)が没して本年で50年を迎えます。
本郷洋画研究所で岡田三郎助に、東京美術学校(現東京藝術大学)で藤島武二に学んだ岩崎は、昭和11年(1936)に《小憩》が文展初入選を果たして以降、人物画を主体に官展画家として活躍を始めます。しかし、昭和13年に支援者であった叔父・福沢桃介が、同15年に父親が没したことで経済的基盤を失い、さらに同16年には先輩画家の娘であった妻の死を巡って確執が生じたことで、岩崎は画壇から距離を置くようになります。それでも画家であることにプライドを持ち続けた岩崎は、極貧の中で知己となった評論家・河北倫明や小説家・川端康成などと交流を重ねながら制作を続け、波瀾の後半生を送りました。
地元川越では、実際に交流した方々を中心に、岩崎の個性的な人物像が数々のエピソードとともに語られてきました。しかし一方で、没後50年が経過した今、その存在が徐々に風化しつつあるのも事実です。
そこで本展では、この節目の年を契機に、岩崎の現存する代表作品および関連資料を一堂に展示し、改めてその画業の軌跡を辿ります。さらに現時点で収集し得た画家と直接関わった人びとの証言をとおして、等身大の岩崎勝平に迫ります。
岩崎を知る方々がもう一度彼に思いを馳せ、あるいは、知らない方々の記憶に画家の名が刻まれる機会となれば幸いです。
岩崎勝平 《夏》
1931年 当館蔵
岩崎勝平 《小憩》
1936年 当館蔵
会期
4月26日(土曜)から6月15日(日曜)
観覧料
一般 500円(400円)
大学生・高校生 250円(200円)
中学生以下 無料
- ( )内は20名以上の団体料金
- 障害者手帳をお持ちの方と付添者1名 無料
- 「川越きものの日」にちなみ、8・18・28日に着物で来館・された方は団体料金
関連イベント
記念長唄演奏会「岩崎勝平作品によせて」
5月18日(日曜) 午後2時から(30分程度)
出演:長唄女子東音会・東音 金子君子さん ほか
ギャラリートーク(学芸員による展示解説)
4月30日(水曜)/5月10日(土曜)/24日(土曜)(手話通訳付き)/6月8日(日曜)
いずれも午後2時から(40分程度)
主催
川越市立美術館
後援
朝日新聞西埼玉支局、埼玉新聞社、産経新聞さいたま総局、東京新聞さいたま支局、日本経済新聞社さいたま支局、毎日新聞埼玉西支局、読売新聞さいたま支局、NHKさいたま放送局、JCN関東、テレ玉、FM NACK5
助成
公益財団法人三菱UFJ信託地域文化財団